「(2018年6月に)ホワイトハウスを訪問した北朝鮮の金英哲党副委員長が『文大統領は米朝会談に不要で、3者会談に関心はない』と述べたことは、トランプ-金英哲会談の唯一のよい知らせだった」

 「(2019年6月30日の米南北会談に向けて)トランプ大統領は文大統領がそばにいることを望まなかったが、文大統領は3者会談の決意を固めていた」

 「(文大統領の北朝鮮非核化に向けた構想は)統合失調症(schizophrenia)のような考えを反映している

 など、文大統領をやけに邪険に扱っている。

 内容の真偽はともかく、ボルトン氏が韓国の対北融和政策が気に入らなかったのは確かだ。

 一方で逆の見方をすれば、いかに文大統領が米朝間の橋渡し役に尽力してきたかが回顧録を通して紹介されているとも言える。

日本に対しては好意的に言及

 韓国と対照的に、日本政府や安倍首相に対しては全体的に好意的に記述されている。

 トランプ大統領が安倍首相に不満を口にしたのは、「条約により米国は日本を守るが、その逆、日本が米国を守ることがないのはフェアじゃない」と不平を言ったとあるくらいである。

 むしろ、トランプ大統領と安倍首相の信頼関係を強調している部分が大きい。

 また、ボルトン氏自身も日本政府の対北方針に同意を示すなど、良好な関係性を築いていたようだ。

「(シンガポール会談を控え)トランプ・金会談に対する東京(日本政府)の見解は韓国政府と180度、異なっており、私自身とほぼ同じ考え方だった」

 「安倍首相は過度に楽観主義の文大統領とは正反対であった。金委員長を信用していない日本は、非核化や拉致問題に具体的で明確な約束を求めた

など、文大統領の正反対に安倍首相を位置付けている。

 対北強硬派のボルトン氏からすれば、北朝鮮に対して厳しい姿勢を示す安倍首相と立場を近くしたのかもしれない。回顧録の中では、「安倍首相と知り合ってから15年以上経つ」とも言及されている。

 また、安倍首相以外にも日本版NSC「国家安全保障局」の谷内局長(当時)が繰り返し登場している。ボルトン氏は谷内局長と朝鮮半島問題について頻繁に協議していたとあり、意外と日本に信頼を置いていたようだ。

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