大赤字でも存続できる北レスがなぜかピンチ

大赤字でも存続できる北レスがなぜかピンチ

ローカル化後も韓国人客が多いバンコク・玉流レストラン

 昨年末の国連制裁を乗り切り2020年を迎えた世界各地の北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)は、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている。

 KWTでお伝えした通りベトナム・ハノイの「平壌館」、タイ・パタヤの「木蘭レストラン」は今年春以降に閉店が確認されている。新型コロナの影響とは断言できないものの北朝鮮レストランのビジネスモデルは韓国人を中心とした外国人客をターゲットにしたものなのでロックダウンによる移動制限、加えて国外との往来停止となると北レスのビジネスモデルは成り立たないのだ。

 しかも今年秋、冬まで新型コロナの影響は続く可能性が濃厚になっているため現在、生き残っている北朝鮮レストランの存続も危うい状況になっている。

 しかし、かと言って北朝鮮レストランは、資本主義的なルールで運営されてものではない。そのため大赤字になろうと究極的には国家が存続する限りは維持することはできるものでもある。

北朝鮮人労働者を帰国させる国連制裁

 2018年1月と19年12月の2度に渡って履行された国連制裁は北朝鮮人労働者を帰国させることを決めたもので、就労ビザの更新や新規発行を認めてはいけないというものだった。

 そうするといくら店がザル経営で大赤字でもまったく問題なくても働き手がいなくなるため事実上、店舗運営ができないという状況になってしまったわけだ。

 労働者として重宝している中国やロシアでは、就労ビザ以外の観光や留学、公用ビザなどへ切り替えて合法的に滞在させているとも報じられている。しかし、ベトナムやタイ、カンボジアなどでそこまでするのかは疑問が残る。

ローカルスタッフで運営継続するバンコク歓楽街の北レス

 そんな中、北朝鮮レストランで、今、注目されるのが、箱(店)だけ存続させて、ローカルスタッフで運営するという新しいスタイルだ。

 その走りはタイのバンコクにある「玉流レストラン」。同レストランは、バンコクの大動脈スクンビット通りのアソークにあり、同地は歓楽街ソイ・カウボーイや巨大商用施設「ターミナル21」などがあるビジネス街であり、代表的なエンジョイスポットでもある。
 
 玉流レストランは、北朝鮮人スタッフのビザ更新ができなかったようで、2019年春から朝鮮語を話すタイ人女性が切り盛りしている。料理人もタイ人だ。同じレシピで平壌冷麺などは作られていると言っているが、北朝鮮レストランの目玉であるステージショーはやっていない。北レスでステージショーがなければ、ただの高い北朝鮮風レストランとなってしまう。周辺にはもっと安い韓国料理店が点在している。

(続く)

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