初期段階からPCR検査拡張。韓国のコロナ対策

初期段階からPCR検査拡張。韓国のコロナ対策

封鎖されたソウル市城北区のサラン第1教会を防護服の担当者が消毒 出典『東亜日報

初期段階からPCR検査拡張。韓国のコロナ対策

 韓国のコロナ対策における特徴として注目されているのが大量の検査を行ったことだ。韓国では、国内の感染者が20人にも満たなかった2月初旬の段階で、民間企業が人工知能(AI)を活用しPCR検査用の試薬を早期に開発した

 その試薬の緊急使用を承認したことで、韓国ではコロナの感染初期の段階からPCR検査を実施を可能としている。また、医療スタッフの感染を防止しながら大量に検査ができる、ドライブスルー検査やウォークスルー検査などの方法を導入し、早期発見、治療を行い感知者を増やすことに成功した。

医療崩壊を防ぐため政府の施設を活用し陽性者を隔離

 大量の検査を実施するとともに、医療崩壊を防ぐために韓国では症状に応じた患者の振り分けと隔離が行われている。

 一般の患者は「国民安心病院」(呼吸器系の患者を診るスペースが完全に分離された350の病院)で診察を受け、軽症者は原則として自宅や病院ではなく、政府の研修施設などに設置された生活治療センターに隔離された。

 重篤、重症、中程度の患者は感染症指定病院などに隔離するなど症状に応じた患者の振り分けにより、韓国では病院の負担と感染リスクを軽減できたとしている。

 政府による透明性の高い情報公開による買い占めの防止、徹底した感染経路の追跡も韓国のコロナ対策の特徴と言えるだろう。

PCR検査を抑制し最小の社会活動を維持。日本のコロナ対策

 日本のコロナ対策の特徴は検査数が抑制気味であることだ。先に取り上げた韓国などでは大量のPCR検査を行っているのに対して、日本ではPCR検査の実施件数が少ないのが特徴だ。

 5月4日に専門家会議が発表した見解では、検査体制が整っていないため、諸外国と比較してPCR検査実施件数が少ないとする分析結果を公表している。

 また、人の集合について企業のオフィスや外食などには規制をかけず、規制は小中高校の全国一斉休校や大規模イベントに限定するなど諸外国に比べ緩やかなアプローチと言えるだろう。

 観光業、地域経済の危機に際して、旅行商品を購入した消費者などにクーポンなどを付与するGo Toキャンペーンを実施していることからも諸外国と比較するとあまり強制力をともなわない要請ベースの対応であることが分かる。

政府の対策よりも日本独自の同調圧力による過剰自粛による効果?

 一時期は緊急事態制限が発令されていたが、現在は解除されるなど感染者数は減少に転じている。テレビを始め主要マスコミが連日のように新型コロナウイルスに対する過度な恐怖を煽る報道を続けた結果、日本独特の同調圧力から自粛行動が起こり4、5月の携帯電話の行動データを見るとヨーロッパのロックダウンされた都市並であったことが明らかになっている。

 日本政府の対応には批判の声があったものの、コロナ対策としては一定の成果をあげたと言えるだろう。
 

日韓ともにコロナ感染者数が再び増加傾向

 韓国、日本ではそれぞれの対策により、一時的にはコロナの感染者数は減少傾向になったものの、再び感染者数が増加してきている。韓国では8月15日に、3月初め以降で最多となる166人の新規感染が確認された。

 日本では、東京都で連日100人を超える新規感染者が確認され、クラスター感染も確認されている。こうした状況から、韓国では第2段階のソーシャルディスタンシング規制が全国に再導入されている。

 日本では、東京都内で8月3日から31日まで酒類を提供している飲食店やカラオケ店の営業時間を短縮するよう要請しているが、韓国と比較すると対策の規模は小さい。こうした韓国と日本の対策の違いにより、今秋以降、感染者数がどのように推移していくのか注視する必要がありそうだ。

千歳 悠
4年ほど活動しているフリーライター。金融、IT、国際情勢など日々情報を追いかけている。趣味は読書と動画視聴。

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