相手は北朝鮮の党・軍・内閣

相手は北朝鮮の党・軍・内閣

丹東税関近く待機する丹東から北朝鮮へ向かうトラック(著者撮影)

 2012年と2013年に実施された調査によれば、丹東企業と取引をしている北朝鮮側のカウンターパートは主に朝鮮労働党(WPK)、朝鮮人民軍(KPA)、それに内閣と地方政府だった。

 中国側では、多くの場合、中国の少数民族である朝鮮族が関与していた。かつて北朝鮮は、日本の朝鮮総連を貿易に利用していたが、今は中国に住む在外同胞を経済発展のため利用しているようだ。

 丹東は通常の品物以外にも、国際的な制裁で禁じられている品物の通過点でもある。中国からは軍事用にも民生用にも使える品物が北朝鮮に輸出されており、米国政府や国連も把握している。

マネーロンダリングの拠点

マネーロンダリングの拠点

表向きなのか北朝鮮の絵画販売ギャラリーもあるが客は少ない(丹東・閉鎖済み)

 北朝鮮はまた、丹東の金融ネットワークを利用し、制裁を逃れている。北朝鮮のマネーロンダリング窓口として核心的な役割を果たしてきた

 2017年に、米財務省は「丹東銀行(Bank of Dandong)」を制裁対象に指定した。2019年の国連専門家パネルの中間報告では、北朝鮮の2つの銀行と、4人の銀行の代表者が丹東市内で活動していたと指摘している。

(続く)

五味 洋治(ごみ ようじ)
1958年長野県生まれ。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年、韓国延世大学語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在、論説委員。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないか』(創元社、2017年)、『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋、2018年)、近著『新型コロナ感染爆発と隠された中国の罪』(宝島社、2020年・高橋洋一らと共著)など。

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