「韓国」2018年より前に戻ったとしつつ南北対話の余地を残す

 金正恩委員長は、昨年の「対北批判ビラ散布問題」などを契機に関係が悪化している南北関係についても、詳細に報告している。

 「現在の北南関係は板門店宣言(2018年)が発表される前の時代に戻され、国の統一への夢はさらに遠ざかっていると言っても過言ではない」

 「(韓国は)先端軍事装備搬入と米国との合同軍事演習を中止しなければならないという私たちの度重なる警告を続けて無視している」

 「現在、南朝鮮当局は、疫病人道協力や観光などの不必要な問題を提起することにより、北南関係の改善に関心を抱いているという印象を与えている」

 「南朝鮮では、依然、朝鮮半島情勢を悪化させる軍事的敵対行為と反共和国謀略騒動が続いており、これによって北南関係改善の見通しは不透明である」

 「北南関係の基本的な問題を解決し、相手に敵対する行為をすべて止め、南北宣言を慎重に扱い、誠実に実行するという立場と姿勢をとる必要がある」

 基本的には「南北対話の停滞は韓国側に責任がある」という従来通りの主張である。ただ、韓国側の姿勢を非難しながらも、南北対話の余地を残したことは重要なポイントとなる。

「アメリカ」主敵と位置づけ従来通りの主張であるも米側の政策変更を求める

 注目の新バイデン政権誕生を控える米国に関しても言及がなされた。

 「北朝鮮と米国の力学関係に劇的な変化をもたらし、それによって私たちの国家の尊厳と威信を素晴らしく示した」

 「敵対的な朝米関係史上、初めて開かれた両国の最高首脳の直接会談で、新しい朝米関係樹立を確約する共同宣言を成し遂げた」

 「北朝鮮と米国の新しい関係を確立するための鍵は米国にある」

 「私たちの革命発展の基本的な障害であり、最大の主敵である米国を制圧して屈服させ、鎮圧することに外交活動の焦点を置くべきである」

 「米国で政権を握るものが誰であっても、米国という実体と対朝鮮政策の本心は変わらない」

 と金正恩委員長は述べている。

 昨年11月の米大統領選挙でバイデン新大統領の誕生が決定的になって以来、初めて公式に新政権に言及した形となった。

 米国を「主敵」とはしているものの、これを持って「米国との対話意思なし」と解釈することはできないし、米国に対する「対決姿勢」とも言えないだろう。むしろ、対話姿勢は保持しつつも従来の主張通り、「米国が対北敵視政策を止めない限り米朝交渉は進まない」という態度を改めて示したものと考えられる。

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