韓国とインドネシア。あまり接点があると感じない人もいるだろう。実は両国は戦闘機開発などの「防衛産業分野」の協力関係を結んでいる。

 防衛産業とは、いわゆる武器や兵器、戦闘機輸出などに関するものだが、なぜ韓国は、インドネシアとこのような関係を続けているのだろう。この関係をアジアでの韓国の影響力から考えていくことにしよう。

中国と連携してアジアでの影響力を拡大させたい韓国

中国と連携してアジアでの影響力を拡大させたい韓国

慢性的な交通渋滞で知られるインドネシアの首都ジャカルタ

中国と連携してアジアでの影響力を拡大させたい韓国

 インドネシアと韓国が防衛産業での協力を始めたのは、1960年代の朴正煕政権ごろからになる。朴大統領は、それまで外国から調達していた武器を、国内で生産する体制へと転換。その後、国内では武器が有り余るほど行き渡ったため、次は海外に目を向けたというわけだ。

 インドネシアを含むアジアでは、日本との尖閣諸島、インドネシアとのナトゥナ諸島問題などで中国が幅を利かせており、アジアにおける中国の影響力は大きい。

 4月上旬に中国・アモイで王毅中国国務委員兼外相と韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相が会談した。朝鮮半島の非核化を中心に話し合われたと報道されているが、アジアで強大な影響力を持つ中国と関係を構築しながら、アジアでの影響力を強くしたい韓国の思惑もあると考えられる。

インドネシア戦闘機分担金600億円未納

インドネシア戦闘機分担金600億円未納

韓国戦闘機との比較対象と報じられるフランス・ラファール 出典 Tim Felce (Airwolfhound) [Public domain], via Wikimedia Commons

インドネシア戦闘機分担金600億円未納

 今回の戦闘機輸出でインドネシアは、韓国に分担金の支払いを行うとしている。しかし、支払期限を過ぎても分担金は一部しか支払われていないのだ。4月9日の韓国・ハンギョレ新聞の報道によると、韓国の防衛事業庁が行った報告によるものとして、インドネシア側は1兆7619億ウォン(約1730億円)の納付を約束。今年2月までに8316億ウォン(約815億円)を払わなければならないが、2272億ウォン(約220億円)しか支払われていないという。

 韓国側にとっては、今回の事態を受けて困惑しているのが実情だろう。インドネシアの分担金の支払いが滞っている理由には、様々な背景があるとみられる。一部報道では、新型コロナウイルスの影響によってインドネシアの経済が悪化しているため、分担金の見直しを迫られている事情があるとの見方がある。

 また中央日報は、韓国側が大統領まで戦闘機のPRに関わっているにもかかわらず、インドネシア側が韓国の戦闘機と他国の戦闘機を比較しながら分担金のコスト削減を考えているのではないかと報じた。

分担金未納ならどうする韓国?

 もし前述のような新型コロナにおける経済の影響が本当であれば、インドネシアがコスト削減を行うのもつじつまが合う。

 新型コロナの影響がこれからも続く可能性を考慮すれば、両国で決めた分担金がすべて支払われない事態も想定しなければならない。もしそうなった場合、韓国としては何らかの抗議をするのか。それとも、期間を設けずに支払われるまで待ち続けるのか。果たして両国政府の交渉はどう展開されるのだろうか。

小林 英介(こばやし えいすけ)
ライター。ウェブメディアで便利グッズから政治に至るまで幅広く執筆している。現在は「ピコピコカルチャージャパン」で連載中。過去の執筆媒体は「公務員総研」「まいどなニュース」など。
@chimata_score8i

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