バイデン大統領が就任100日目を目前に施政演説

バイデン大統領が就任100日目を目前に施政演説

上下両院合同会議で施政演説を行ったバイデン大統領 出典 ホワイトハウス

バイデン大統領が就任100日目を目前に施政演説

 米国のジョー・バイデン大統領は4月28日(現地時間)、就任後、初めて上下両院合同会議で施政演説を行った。通常、施政演説は就任後、間もなくして行われるため、就任後99日目での演説は異例である。

 バイデン大統領は、新型コロナウイルス流行という「最悪のパンデミック、世界恐慌以来の最悪の経済危機、南北戦争以来の最悪の民主主義に対する攻撃」に見舞われた「最悪の状況」で政権を引き継いだと説明。

 だが、大統領就任後約100日間で行った政策の結果、「米国が再始動」しているとして実績を紹介した。演説では、国内問題について論じる一方で、対外政策についても言及した。

外交政策の焦点は中国

 外交政策に関する演説でもっとも重点が置かれたのは中国であった。

 バイデン政権は中国に関する戦略・政策見直しの最中にある。これまでのところトランプ前大統領が行った貿易関税などの政策の多くはバイデン政権でも引き継がれている。

 バイデン大統領は演説で、「中国が技術力で米国に急速に追いついてきている」という認識を示した上で、「米国は次世代の技術競争で優位に立つ」必要性があると訴えた。

 また、これまでに習近平(シー・ジンピン)国家主席に送ったメッセージも紹介。「競争は歓迎するが対立は望まないこと」「紛争を開始するのではなく、紛争を防ぐためにインド太平洋で強力な軍事的プレゼンスを維持すること」などを伝えたと明らかにした。このようにバイデン大統領が中国に強い危機感を持っていることが伝わる演説となった。

 演説では同じく緊張状態にあるロシアについても「双方が利益となる協力も可能」と言及するなど、対立は避けたいという意向を示しているが、いずれも関係改善のめどは立っていない。

北朝鮮との対話可能性に含み

 その一方で、北朝鮮に関する言及はごく一部にとどまった。

 「イランと北朝鮮の核計画は、米国や世界の安全保障に深刻な脅威をもたらすものであり、外交と厳格な抑止を用いて両国がもたらす脅威に対処する。そのために同盟国と緊密に協力する方針である」とだけ述べているのだ。

 イランと北朝鮮の核計画をまとめて「脅威」であると強調したが、注目すべきは「外交と抑止」という言い回しを使ったことである。

 バイデン米政権は、これまで北朝鮮政策の見直しを進めてきていたが、今回、外交努力で北朝鮮と向き合う姿勢を示したことで、米朝交渉の進展に期待が寄せられる。

 とは言え、演説を聞く限りでは優先課題が中国政策なのも確かであり、バイデン政権において北朝鮮政策がどのような位置付けなのかは不明である。

 今年3月17日に崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は、「米国の対朝鮮敵視政策が撤回されない限り対話しない」と談話で述べており、米国がどのようなプランを用意するか注視しているとみられる。

八島 有佑

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