日本人の3倍ビザなし滞在できる韓国人

日本人の3倍ビザなし滞在できる韓国人

日中は韓国人中国人でにぎわっていたスワナプーム国際空港も今はがらんどうだ

 新型コロナウイルスの猛威が2021年3月から荒れ狂っているタイは、当然ながら観光客は激減している。南部のビーチリゾートであるプーケット県では、各種条件を満たした観光客を海外から受け入れることを始めているが、成果当初の予想ほど上がっていない。

 タイは日本人から海外旅行先として人気が高い。実際には日本だけでなく、中国や欧米諸国からもたくさんの観光客が訪れる。また、平常時は、実は日本人よりも韓国人観光客の方がここ近年は多い。なぜタイが韓国人から人気なのか。

 まず、ビザの優遇措置が大きな要因だったと考えられる。平常時は韓国パスポート保有者はビザなしで渡航する場合、日本人よりも長く滞在できる。日本のパスポートは空路入国においてビザなしで入ると30日間(陸路はその半分)の滞在が許可される。韓国人は日本人の3倍の90日間だ(※注)。

 これは相互主義に基づくもので、タイのパスポート保有者もビザなしで90日間の韓国滞在が許可されている。

ビザが取りやすいのも大きな理由

 この日数は日本パスポートの場合、外交旅券や公用旅券、サービス・スペシャル旅券所持者のみがタイとの査証要件免除協定によって滞在できる日数と同じとなる。日本人は公用でしかいられない日数を、韓国人は一般人でも可能になるというわけだ。

 観光ビザを取得すると、日本パスポートは60日間の滞在が入国時に許可される。韓国人も観光ビザでは同じ60日間滞在許可になるため、むしろ取得しない方が得だ。

 さらに、コロナ禍においては、韓国人も厳しい条件をクリアしてビザを取得しなければならないが、在ソウル・タイ大使館によれば、2021年9月27日よりeビザのサービスがリニューアルされる。すでに在韓タイ大使館で始まっているサービスの改訂版で、ビザ申請が簡素化され、かつステッカータイプのビザが廃止となる。ビザ発行はシステム上で行われ、大使館から送られてきたレターをプリントアウトし入国時に係官に見せれば、通常のビザと同じ入国許可が出る仕組みになっている。これは在京タイ大使館にはないシステムで、韓国の大使館の方がやや時代を先取っている。

マニアックな性風俗店に足を運ぶ韓国人も

マニアックな性風俗店に足を運ぶ韓国人も

日本人ばかりだった島も平常時は韓国人観光客が増えていた

 ビザ取得が容易であることから韓国人には、行きやすい国であることも大きな理由であるし、韓国国内で発行されるガイドブック、韓国人ユーチューバーのタイ訪問などが特に若い世代の観光客誘致につながっているとみられる。日本のガイドブックに似たデザインの書籍を片手にバンコクを歩きまわる若い韓国人の姿は平常時は日常的な風景だった。

 また、日本人同様、ネットの情報も充実しているのか、ガイドブックに載っていないディープなタイを好む若者も少なくない。タイには各地に歓楽街があり、近年は日本人の若い人よりも韓国人男性の方がよりマニアックな性風俗店に足を運んでいるケースが目立つ

 現状は新型コロナウイルスの関係で、2020年3月26日にタイ政府より発令された緊急事態宣言の影響もあり、韓国人の入国は観光のみならずビジネス訪問も激減している。しかし、ビザに関しては韓国人向けは日本人よりも優位なので、今後事態が終息し、平常時に戻り始めたら、韓国人観光客も一気に増加することだろう。

 ※注 ただし、新型コロナウイルスの影響により2020年4月13日から韓国旅券も免除措置が一時停止中で、日本と同じ30日となった。現在一般旅券のビザなし90日滞在が許されているのはアルゼンチン、ブラジル、チリ、ペルーのみ。
 

高田 胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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