タイ人の結婚≠入籍?

タイ人の結婚≠入籍?

韓国人はベトナム戦争時にベトナム国内で問題を起こしているが、全体的なベトナム人の対韓国人感情はあまり悪い印象はないようだ

 新型コロナウイルスで観光客のみならず、外国人のビジネス渡航もだいぶ減っているタイ。それでも人気渡航先であることに今も変わりはなく、今か今かと、タイが通常通りに入国できることを待ちわびる外国人は少なくない。

 そんなタイは、外国人入国者が多いこと、かつ日本の江戸時代の頃に栄えていたアユタヤ王朝の頃から国際貿易都市でもあったので、タイ人自身の外国人への感覚や慣れは日本とは大きく異なる。そのため、タイが好きな外国人の中には、タイ人と結婚する人も少なくない。読者の周囲にもタイ人と結婚した日本人がいるケースも多いのではないだろうか。

 ところが、実際的には、タイ人もあまり外国人と結婚していない。そもそも社会保障関係で特に有利になるわけでもないため、タイ人は「結婚」というと入籍ではなく、結婚式を指す。いわゆる内縁関係が多く、タイ人・外国人カップルも籍を入れていないケースも少なからずある。外国人がタイで暮らすと人間関係の中心が各国のコミュニティーになるので、一見タイ人との結婚が多いように見えるが、タイ人も大半はタイ人と婚姻する。

日本人より韓国人男性との結婚が多いタイ女性

 日本政府の統計を見ると、2019年に国際結婚をした日本人は2万1919人だ。そのうち夫が日本人のケースは1万4911人だった。中国人女性と結婚した日本人男性が一番多くて4723人。続いてフィリピン人女性との結婚が3666人、韓国人・朝鮮人1678人と続く。4番目に多いのがタイ人女性との国際結婚で986人となる。

 韓国人男性の国際結婚は、タイのメディアによると2019年に1万7687人だった。このうちもっとも多いカップルはベトナム女性との婚姻で、実に6338人に及ぶ。次に多いのが中国人女性との婚姻で3671人、続いてタイ人女性の1560人だ。

国際結婚が増える韓国

国際結婚が増える韓国

韓国人の国際結婚が増えている 出典 Bernat Agullo [Public domain], via Wikimedia Commons

国際結婚が増える韓国

 今回の記事は、タイのメディア発表に合わせて男性の統計に目を向けている。短絡的に見れば、タイも韓国エンターテインメントが人気でタイ人女性から韓国人男性が注目されてきている事情があるのかもしれない。日本人女性の国際結婚も各国国籍者の統計が1000人未満がほとんどの中、中国人男性との婚姻の倍に近い1764人が韓国人・朝鮮人男性と結婚している。

 タイ・メディアによれば、韓国人の国際結婚の割合がかつての平均4.9%から2020年には7.6%に上昇。2015年からの婚姻数増加を見ると、5年でおよそ24%も増えた計算になるという

 これは韓国人女性も含めた統計なので、韓国人の国際結婚増加は、単にK-POPや韓流ドラマ人気ということではなく、韓国人男性も女性も互いに海外に伴侶を求めているのかもしれない。そうなると、今後、日本人の韓国人・朝鮮人婚姻数も増加するに違いない。

 これからは同じアジア圏内の国籍者同士の結婚は「国際結婚」という特別な呼び方ではなく、当たり前のことになるかもしれない。

高田 胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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