共同声明では「非核化」に向けた具体的なプランは提示されず。米朝首脳会談は失敗だったのか?米朝共同声明をどう評価する?

 米朝共同声明については賛否が分かれている。 

 声明には、米政府が求めてきた北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄(CVID)」の文言が盛り込まれなかったことで、「米国が北朝鮮に譲歩した」という批判が多く寄せられている。
 また、「非核化」に向けた具体的な期限や方法といったプランが示されていないことについても「抽象的な合意である」という指摘もあるなど、北朝鮮の「非核化」に向けて大きな合意が得られると期待していた層にはやや不満が残る結果となった。

 これに対して、ポンペオ国務長官は13日、記者団の取材に対し、「北朝鮮の非核化の重要な部分は、2年半程で達成できると期待している」とした上で、さらに、共同声明で「完全な非核化に取り組む」とした合意文について、「『完全な』という言葉には『検証可能』で『不可逆的』という意味が含まれている」と合意の意義を説明している。

 この説明から考えると、おそらく米朝首脳会談では「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」についても議論されたものの、金正恩党委員長が従来からの立場通り「検証可能」「不可逆的」という文言を使用することを拒否したため、米国が北朝鮮に譲歩する形で今回の声明文の文言に落ち着いたとみられる。

 ただ、一般的には首脳会談に至るまでにある程度実務者協議で合意内容のすり合わせが行われるところ、今回米朝首脳会談直前まで「非核化」の定義等に関して協議が難航していたという情報もあり、共同声明において「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」という文言や具体的な「非核化」プランを盛り込むができないことは米国の想定内であったと考えられる。

 それでもなおトランプ大統領が米朝首脳会談に臨んだのは、金正恩党委員長に直接会ってどういう人物なのか見極めたいという思いがあったからだろう。

 つまり、今次会談で共同声明を出すに至ったことは、トランプ大統領が金正恩党委員長の「非核化」への意思に嘘はないと判断したことの表れとも言える。

 トランプ大統領の中では、共同声明の中に「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」という文言が入るかどうか、具体的なプランが示されるかどうかは大きな問題ではなかったのだろう。

 筆者も、米朝が対話していくという姿勢が示されたことが重要なのであり、共同声明に「非核化」プランが盛り込まれなかったことをもって米朝首脳会談が失敗であったと判断することはできないと考える。

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