党大会に続く最高人民会議開催

党大会に続く最高人民会議開催

17日に開催された最高人民会議(提供「コリアメディア」)

 北朝鮮では1月17日、最高人民会議第14期第4回会議が平壌の万寿台議事堂で開催された。

 最高人民会議は国会に相当する政府機関。北朝鮮では朝鮮労働党の決定が優先されるとは言え、重要な会議であるため国外からも注目が寄せられる。

 金正恩総書記の出席は伝えられていない。金正恩総書記は2019年から代議員に選ばれていないためであり、同年8月に開催された最高人民会議でも出席は確認されていない。

 さて、今回の会議では、第8回党大会(1月5日~12日)の決定を踏まえて国家機関の組織改編や予算が決められた。

 議題は、1)組織問題(人事)、2)「国家経済発展5か年計画を徹底的に遂行することについて」、3)2020年決算・2021年決算の3議題。

 以下、党機関紙『労働新聞』や国営メディア「朝鮮中央通信」などの報道をもとに、重要ポイントを説明する。

内閣大改造も国務委員会の人事は報じられず

 今回の人事(議題1)はまさに内閣大改造と言える。内閣メンバーが大幅に交代し、26人が新しく任命された。経済不振がその要因とみられる。

 首相は金徳訓氏が留任しているが、副首相は楊勝虎(ヤン・スンホ)氏以外が交代となり、新しく6人が就任した。

 一方、国務委員会の人事は伝えられていない。国務委員会とは国家の機関であり、「国家主権の最高政策指導機関」と憲法で定められている(委員長は金正恩総書記が兼任)。

 第8回党大会で党トップの総書記ポストが復活して金正恩氏が就任したため、「国家トップとしての国家主席制も復活させるのではないか」という観測も一部で出ていたが、現行の国務委員長制の改編は報じられなかった。

 同大会では、国務委員会の副委員長である朴奉珠(パク・ボンジュ、前党副委員長)氏や、国務委員の金秀吉(キム・スギル、前軍総政治局長)氏らが党や軍の役職を退任していたため、同人らの国務委員会のポストも変動する可能性も考えられたが、報道上は現状維持のようだ。

新「国家経済発展5か年計画」が始動

 経済分野(議題2)については、金徳訓首相が第8回党大会で決定した新「国家経済発展5か年計画」について報告を行なった。

 金正恩総書記は同大会で、前回、国家経済発展5か年計画(2016年〜2020年)について、「ほぼすべての分野で目標未達」と述べるなど経済不振を認めており、新しい経済計画には注目が集まっている。

 金徳訓首相は報告で、経済不振の原因について分析を加え、主たる要因として、国連制裁や台風などの自然災害、新型コロナウイルスの流行を挙げている。

 加えて、新国家経済発展5か年計画について、「自力更生、自給自足を基本、テーマにとらえて、いかなる外部の影響にも左右されず経済を持続的に発展する正常軌道に乗せる」と強調した。

 さらに経済部門ごとの課題を表明しており、「優先的に金属工業と化学工業部門をはじめとした基幹工業の発展に注力する」、「電力生産を画期的に引き上げる」などの目標が挙げられている。

 具体的な数値目標は、報道では明かされていないが、「国連制裁という悪条件下における経済の自力再建」が柱となっている。
 

経済発展と国防力強化に予算を集中

 最後に決算および予算である(議題3)。予算はすべて「前年比」という形で示されており金額は公表されていないが、予算編成は北朝鮮の政策を知る手がかりとなる。

 2020年決算では、いずれも前年比で歳入104.3パーセント、歳出105.9パーセントと報告された。

 歳出のうち、国防費の割合は15.9パーセントとなっており、この国防建設活動により、「核戦力を中枢とする自衛的国防力を質量的に強化」できたと説明している。

 続いて、2021年予算は、前年比で歳入100.9パーセント、歳出101.1パーセントとの予算計画を示した。

 注目の国防費については、2020年と同様、歳出のうち15.9パーセントを充てるとしている。

 今回の予算編成については、「新5か年経済発展計画に基づいて、経済発展の中核と科学技術発展に投資を集中することで人民生活を向上させ、国家防衛力と社会主義文化を持続的に発展させていく」という説明がなされている。

 第8回党大会で決定された通り、経済発展と国防力強化を並行して進めていくための予算計画となっている。

八島 有佑

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