中国は南北統一を望んでいない

中国は南北統一を望んでいない

韓英日中の4言語に対応するソウル地下鉄の券売機

 韓国政府系シンクタンクである統一研究院から公表された「統一意識調査」にも、中国に関する質問項目がある。「南北統一を最も望まない国はどこか」という設問で、米国、中国、日本、ロシアの4か国から選ぶものだ。

 不名誉なことだが、1位と2位は毎年、日本と中国が争っている。今年は、中国が47.6%で日本(31.8%)を圧倒していた。

 「朝鮮半島周辺国への好感度」では、歴史問題でもめている日本の好感度が最も低いが、中国も負けていない。前年に比べてマイナス1.65と最も大幅に下落した。

 この原因についてはさまざまに語られている。本サイトでは青山誠さんが中国による終末高高度防衛(THAAD)ミサイルへの報復や中国と朝鮮半島の歴史的背景に触れており、興味深い。

 他にも、韓国で民族を象徴する食べ物であるキムチを、中国人が「起源は中国」と主張し、韓国人の自尊心を傷つけているとの分析もある。

 北朝鮮との南北統一は遠い先のことであり、もう中国に気を使うべきではないという考えが広がっているとも判断できるだろう。

 あまり望ましい話ではないが、「敵の敵は味方」という言葉もある。今後、強大で強引な国、中国のおかげで、韓国は「中国よりはマシだし、自分たちと共通項が多い。韓流もそのまま楽しんでくれている」などと、以前より日本に対して友好的になってくるだろう。

五味 洋治(ごみ ようじ)
1958年長野県生まれ。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年、韓国延世大学語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在、論説委員。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないか』(創元社、2017年)、『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋、2018年)、『新型コロナ感染爆発と隠された中国の罪』(宝島社、2020年・高橋洋一らと共著)、近著『金正恩が表舞台から消える日: 北朝鮮 水面下の権力闘争』(平凡社、2021年)。
@speed011

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