OECD加盟国3位のニート大国

OECD加盟国3位のニート大国

韓国はOECD加盟国3位のニート大国

 アルバイト暮らしのフリーターとは違って、働く気がなく親の脛(すね)をかじって暮らす「ニート」という言葉が日本で話題になったのは2000年代に入った頃から。

 「Not Education,Employment or Training(就学や就労しておらず、職業訓練も受けていない)」という英文の略。

 どこの国にもニートの若者はそれなりの数いて、その存在が問題視されているようだ。

 韓国でも近年はニートが急速に増えているという。

 今年1月5日に配信された朝鮮日報日本語版にも「韓国、ニートの数がOECD加盟国13か国のうち3位」という記事が載っていた。

 OECD(経済協力開発機構)は、欧州を中心に38か国が加盟し、主に経済に関する分析や話し合いが行われる国際機関。

 韓国は1996年にOECD加盟国となったが、その時には、「これで先進国になった」と韓国民は喜んだ。

 以来、何事に関しても「OECDで○位」と、その中での自国の順位を気にする。マスコミもそれを意識した報道が目につく。が、ニートの数は、決して誇れるものではないと思うのだけど。

韓国では若者の5人に1人がニート

 朝鮮日報の報道によれば、韓国雇用情報院青年政策ハブセンターが昨年1~10月の韓国内における15~29歳でニートと推定される者の数が158万5000人にもなっていることを報告したという。

 これは同年齢層の20.9%。OECDの中で韓国よりもその比率が高いのは、イタリアの23.5%とメキシコの22.1%となっている。

 しかし、すべてのニートが「働く気がない」わけではなく、この数字の中には、求職活動中の若者も含まれている。

 働く意思があるかどうかではなく、学校に行かず働いていないという状況だけを見てニートにカウントされているのだ。

 「もっと、自分にふさわしい仕事があるはず」と、仕事を選り好みして働かない。プライドの高い韓国人には特にその傾向が強い。

 韓国の受験戦争の激しさは、日本でもよく報道される。

 狭き門の一流大学に入学し、サムスンや現代などの財閥系一流企業に就職する。それが韓国人の目指す成功者のモデルケース。

 だが、一流企業は大学よりもさらに狭き門。そこからあぶれた大卒者は、プライドが邪魔して他の仕事には就けず。

 コロナ禍で一流企業も求人を絞っている昨今では、ニートの数も急増しているというわけだ。

労働意識の違いがニートの数に反映する

 日本の事情はどうか。

 日本では韓国よりも年齢層に幅を持たせて15~44歳までを「若年無業者」としてニート認定している。

 先進国としての歴史が韓国よりも長いだけにニートの高齢化も問題化してきた。

 2001年に60万人に達した日本のニート人口は、翌年の2002年には79万人に急増。この頃からニートという言葉が世を賑わすようになる。

 その後は80万人台前半で推移し続けるが、2010年代に入ると減少に転じた。2018年には71万人にまで減ったのだが、ここ数年はコロナ禍の不況で再び増加傾向に。2020年には87万人となり、過去最高を記録している。

 しかし、それでも韓国の158万人と比べると少ない。日本の人口が韓国の約2倍ということを考えれば、さらに少ない感じがする。

 近年は日本も就職状況は厳しい。それでも条件や仕事を選ばなければ、非正規雇用や飲食などのアルバイトで働くことはたやすい。

 「そんな仕事をするのは恥」とする韓国人とは違って、日本人には、「仕事もせずぶらぶらしているのは恥」と考える者は多い。

 その思考の違いが、ニートの数の差となって現れているのだろう。その是非については、判断が難しいところではあるのだが…。

青山 誠(あおやま まこと)
日本や近隣アジアの近代・現代史が得意分野。著書に『浪花千栄子』(角川文庫)、『太平洋戦争の収支決算報告』(彩図社)、『江戸三〇〇藩城下町をゆく』(双葉社新書)、近著『日韓併合の収支決算報告~〝投資と回収〟から見た「植民地・朝鮮」~』(彩図社、2021年)。

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