農心に続きオットギも販売中止

農心に続きオットギも販売中止

輸入品なので安くはないがタオバオで普通に買えるオットギのインスタントラーメン

農心に続きオットギも販売中止

 昨年、フランスで販売された韓国製のインスタントラーメンから基準値の56倍の2-クロロエタノールが検出され、販売中止と回収(リコール)となったと韓国メディア・アジア経済が1月28日「危機のKラーメン」として伝えた。

 販売中止ならびに回収となったのは、オットギの「ジンラーメン辛味」で、昨年11月15日から12月24日までフランス全土で販売されたものだ。

 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所によると、

 「2-クロロエタノールは、欧州連合(EU)では食品への使用が許可されていない農薬の酸化エチレンの反応生成物で、急性毒性のリスクはないが、長期的な摂取による健康影響の可能性がある」

 と説明している。

 昨年8月にドイツで同じく販売中止と回収となった辛ラーメンの農心のインスタントラーメンからも2-クロロエタノールと発がん性物質であるエチレンオキサイドが検出されたとされる。

韓国基準はクリアするもEU基準でアウト

 この件について、農心ジャパンは、該当商品の麺、かやく、スープを個別に検査したところ、エチレンオキサイドは未検出。2-クロロエタノールは微量検出されるも人体に影響はないと発表して、EU基準のドイツの発表とは異なっている。

 なお、農心ジャパンによれば、エチレンオキサイドと2-クロロエタノールの基準があるのは、厳しい順にEU、米国、カナダで、日本、韓国、中国など多くの国では基準がないとしている。

 しかし、韓国は、昨年8月の農心発がん性物質騒動を受けて、2-クロロエタノールの基準を新たに設定。

  農・畜・水産物及び加工食品は30ミリ・グラム(キロ・グラム以下)とした。

 今回のオットギ・ジンラーメン販売停止騒ぎは、韓国の新基準後なので、韓国の2-クロロエタノール基準はクリアしたが、より厳しいEU基準には抵触してしまったということのようだ。

中国がスルーするワケ

 オットギは、日本では販売されていないので、知名度は低いが、韓国の即席麺メーカー大手だ。

 看板ブランドのジンラーメンは、長年、辛ラーメンのまねと揶揄(やゆ)され、後塵を拝してきたが、2019年の統計では、韓国国内シェアで辛ラーメンに続く2位でその差も縮まる傾向にあるようだ。

 ちなみに、ジンラーメンのジンは、濃厚の濃に由来する。

 なお、本件、中国では、ほぼスルーされている。

 中国政府からすれば、国内のガス抜きに最適な話題だと思われるが、韓国を攻撃すると、結果的にここ数年関係が悪化している欧州を助けることになるので、微妙な状況なのかもしれない。

 オットギは、日本同様に中国でも一般販売されておらず、韓国輸入品店や淘宝網(タオバオ)などオンラインでの購入となるため、中国での知名度も低い。

 もしかしたら、中国が沈黙するもう1つの理由は、エチレンオキサイドと2-クロロエタノールの基準がない中国で、EU基準で中国メーカーの即席麺を検査したら、オットギよりも悲惨な結果が…。それで意図的に触れないのかもしれない。

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