「安全な食事を提供する」で給食センター設置

「安全な食事を提供する」で給食センター設置

韓国・釜山の海鮮食材を売る露店

 福島原発事故から10年以上の月日が過ぎているが、韓国人の放射能に対する警戒感はいまだ強い。福島県を含む近隣8県の水産物禁輸措置は継続され続け、東京五輪では大韓体育協会が「安全な食事を提供する」として、代表選手団のために給食センターを設けたことも記憶に新しい。

 しかし、韓国で日本の食材が危険視される以上に、他国は韓国食材の安全性が疑われていたりもする。

韓国製インスタントラーメンがEUで販売中止に

 今年8月12日、ドイツで発売されている韓国のインスタントラーメン業界最大手の農心の製品から、EU基準値を遥かに超える有害物質クロロエタノールが検出された。また、他の業界大手メーカーの製品からも同様に、基準値を超える有害物質が検出されたという。

 どうやら、製造機器の殺菌消毒などに使われる薬剤に含まれていた成分が混入したものと思われる。これを重く見たEUでは、8月6日に該当する製品の販売を中断、リコールを実施するよう各国に通報を行った

 韓国製インスタントラーメンは過去にも何度か問題を起こしている。原料に遺伝子組換え大豆が検出され、トルコやカザフスタンなどで輸入禁止措置が取られてこともあった。遺伝子組換えした食材の使用を禁じている国は多いと思うのだが、それを知って輸出していればモラルの問題だろう。また、知らずにうっかりやらかしたとすれば…、あまりに雑で適当すぎる。食品メーカーとしては、どちらも致命的だ。

 インスタントラーメンだけではない。K-POPと並んで、今では世界各国で親しまれるようになり、日本のスーパーマーケットでもよく店頭で見かける韓国海苔についても、2014年に中国で基準値を超える発がん物質が検出されて騒ぎになったことがある。海苔の色を濃くするために使った合成着色料によるものだとか。

福島原発処理水よりも心配すべきものがあるような…

福島原発処理水よりも心配すべきものがあるような…

北朝鮮とは見た目から異なる韓国の冷麺

 また、日本海沿岸ではハングル文字が書かれたポリタンクが大量に漂着して、昔から環境問題にもなっていた。その中には、海苔養殖に使う網を消毒した塩酸の容器が多く含まれているという。塩酸の使用は禁じられているのだが、かなりの数の養殖業者が禁を犯してこれを使い容器を不法投棄している。と、推測する者は多い。

 ちなみに、米食品医薬品局(FDA)は2012年に韓国産の牡蠣、ムール貝、帆立貝などを販売禁止とする措置を取っている。理由は糞尿を含む汚染水の海洋投棄。韓国の養殖場付近はその汚染が問題視されており、ノロウイルスなどに感染する危険性があるというのだ。

 韓国の海には問題が多々ありそう…。日本政府が福島原発の処理水を海洋投棄する方針を決定した時、韓国政府や韓国民は激しく反発していた。けど、原発処理水は有害物質を除去して徹底的な検査で、安全を確認した上で放出される。細菌まみれの汚水を調べもせずに養殖場付近の海洋に垂れ流すのと比べて、どちらが危険なのだろうか。

青山 誠(あおやま まこと)
日本や近隣アジアの近代・現代史が得意分野。著書に『浪花千栄子』(角川文庫)、『太平洋戦争の収支決算報告』(彩図社)、『江戸三〇〇藩城下町をゆく』(双葉社新書)、近著『日韓併合の収支決算報告~〝投資と回収〟から見た「植民地・朝鮮」~』(彩図社、2021年)。

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