「食べられるものがほとんどない」韓国選手団

「食べられるものがほとんどない」韓国選手団

韓国選手団に選手村の食事が不評だった北京冬季五輪も20日に閉幕する

 北京冬季五輪の選手村で提供される食事に韓国選手団から強い不満が出ている。

 本場中国の中華料理が韓国選手の口に合わないようだ。

 これは、韓国において中華料理が、韓国風に独特の変化を遂げ、本場の味からかけ離れてしまったためである。

 オリンピックが開幕して間もない2月6日、韓国のメディアは、韓国選手たちが選手村で提供される食事に大きな不満を漏らしていることを相次いで報じた。

 韓国選手や関係者は、「2018年の平昌五輪の時とは大違い。おいしくないので、初日の夕食を食べただけで、その後は一度も行っていない」「食べられるものがほとんどない。美食の国ということで期待していたが、これまで行ったオリンピックの中で食事の質が最も悪い」などと語ったそうだ。

東京五輪同様、独自の給食センターを設置

 一方、日本のメディアによれば、日本の選手たちは、「種類が多くて食事に不満はない」「多少割高だが、味に問題はない」と語っているそうだ。

 大韓体育会は、選手村近くのホテルに“給食支援センター”を設け、選手たちに韓国食の弁当を届けているという。

 韓国は、昨年の東京オリンピックでは、選手村の食事に「福島産の食材が使われている」ことを理由に同様の給食センターを設けて、日本国民の憤りを買ったことは記憶に新しい。

 今回は、食材の産地ではなく味を問題にしている。

 中国で提供される食事が、なぜ、韓国選手たちの口に合わないのだろうか。

日本にはない韓国の中華料理屋の独特なメニュー

日本にはない韓国の中華料理屋の独特なメニュー

チャジャンミョン 出典 ProjectManhattan [Public domain], via Wikimedia Commons

 韓国人が中華料理が嫌いだというわけではない。

 韓国では、どんな小さな町にも中華料理屋があり、昼食時にはそれなりに混み合っている。

 ただ、そこで出される中華料理が独特だ。

 メニューはあまり多くなく、客のほとんどが炸醬麵(チャジャンミョン)、チャンポン(韓国風の辛いちゃんぽん)といった特定のメニューを注文する。

 中でも最も人気があるのがチャジャンミョンだ。

 チャジャンミョンは、日本の中華料理屋で出るジャージャーメンと漢字表記は同じだが、似て非なるものである。

 チュンジャンという黒い味噌でひき肉とタマネギを炒めて作ったタレを麵にかけたもので、黒い色と甘い味が特徴。韓国では、老若男女を問わず人気がある。

 チャジャンミョンは、他国の中華料理には見られない独特なメニューで、韓国人にとって中華料理の代名詞になっている。

韓国にはチャイナタウンがない?

 チャジャンミョンが韓国に普及した裏には、在韓華僑の悲しい歴史がある。

 日本の横浜や神戸に中華街があるように、世界中の多くの国にチャイナタウンが存在する。

 韓国にも仁川に小規模なチャイナタウンがあるが、これは21世紀に入ってから観光用に作られたものである。

 韓国は、世界でも珍しくチャイナタウンのない国だった。

 長らく鎖国政策を取っていた朝鮮が開国し、仁川の港が外国に解放されると、日本や欧米列強と同じように中国(清)も仁川に租界地を持った。

 そこへまず、朝鮮半島に近い山東省から貿易商が渡ってきた。彼らに食事を提供する中華料理店も開業し、そこに野菜を提供するため、山東省の農民も大勢やってきた。

 日本統治時代も仁川の華僑は増え続け、太平洋戦争、朝鮮戦争の激動を乗り越えて、1950年代には10万人近い華僑が韓国に定住していたそうだ。

韓国選手団の北京五輪食事への不満は8万人駆逐した華僑弾圧のせい?へ続く。

犬鍋 浩(いぬなべ ひろし)
1961年東京生まれ。1996年~2007年、韓国ソウルに居住。帰国後も市井のコリアンウォッチャーとして自身のブログで発信を続けている。
犬鍋のヨロマル漫談

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