最高人民会議で2020年度予算が決定。保健医療部門などで予算増額

最高人民会議で2020年度予算が決定。保健医療部門などで予算増額

平壌の万寿台議事堂で開かれた最高人民会議(出典「コリアメディア」)

 最高人民会議第14期第3回会議(国会に相当)は当初4月10日に予定されていたが、2日遅れとなる12日に開催された。開催がずれ込んだ理由は不明である。

 金正恩委員長は今回会議に出席しなかったとみられる。これについて様々な憶測がなされているが、2019年4月の最高人民会議(2日間)では2日目のみに出席するなど、議題など必要に応じて出席している可能性がある(そもそも金正恩委員長は代議員ではない)。

 今回の会議の議題は、
1.再資源化法の採択
2.遠隔教育法の採択
3.除隊軍官生活条件保障法の採択
4.内閣の2019年事業状況と2020年の課題
5.2019年決算と2020年国家予算
6.組織(人事)問題
の6議題であった。

 まず、議題5では、2020年の国家歳入(収入)を前年比で104.2パーセントと見込んでおり、例年並みの伸び率を設定している。世界各国と同様、新型コロナウイルス流行の影響は避けることができないとみられるが、この点をどのように考慮されたかは不明である。

 一方、国家歳出(支出)は前年比で106.0パーセントと設定した。詳細を見ていくと、経済建設に予算全体の47.8パーセントに当たる資金を割り当てるとしている。国連制裁や新型コロナウイルスの影響を受ける中、経済建設にさらに注力する意図がくみ取れる。

 また、保健医療部門では前年比で7.4パーセント増額した。新型コロナ対策のための「国家非常防疫体制」の補強などに充当されるとみられる(会議ではいまだ感染者は発生していないと報告されている)。

 なお、毎年予算で公表されるのは伸び率などだけで実際の金額は不明である。

国務委員会で外交ラインが交代

 今回の会議では、金正恩委員長をのぞく国務委員13人のうち、5人が交代となった(議題6)。

 前述の政治局は党の機関であるが、国務委員会は国家機関としての最高政策決定機関である(トップは金正恩委員長)。

 新たに国務委員に選出されたのは、核・ミサイル開発を主導してきた李炳哲(イ・ビョンチョル)党副委員長や、国際担当の金衡俊(キム・ヒョンジュン)党副委員長など5人である。

 その一方で、彼らの前任者である李洙ヨン(イ・スヨン)前党国際部長、李容浩(イ・ヨンホ)前外相、努光鉄(ノ・グァンチョル)前人民武力相ら5人が解任された。

 米朝交渉が行き詰まる中、外交ラインの刷新を印象付ける形となった。

 会議中に米朝交渉をはじめ対外方針に関して言及があったかどうかについては伝えられていないが、今後の外交展開を見据えた人事とみられる。

八島 有佑

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