韓国政府の対応に一定の評価を与えた北朝鮮

Q その後、北朝鮮は韓国への批判を弱めていますが、連絡事務所爆破以降の韓国政府の対応をどのように評価しているのでしょうか。

 6月23日の中央軍事委第7期第5回予備会議で、金正恩党中央軍事委員長兼国務委員長は「党中央軍事委は最近の情勢を評価し、人民軍参謀部が党中央軍事委第7期第5回会議に提起した対南軍事行動計画を保留した」と発表した。

 では党中央軍事委が評価した「最近の情勢」とは何かを考えたとき、韓国側の対応として次の3点が特に評価されたものとみることができる。

 1点目は、6月17日に金錬鉄統一部長官が「南北関係悪化の責任」を取って辞任を表明し、「(関係悪化を)ここで止めなければならない」と訴えたことである。

 2点目は、政府与党や京畿道がビラ散布について「禁止と処罰」に乗り出したこと。

 3点目は、大統領官邸は歴代統一相や対北特使ら11人を招いて昼食会を開き、今後の北南対話の方向性について意見を聴取した。この場で、「外交安保ラインの刷新」が提起され、また「(2018年11月にスタートした)韓米作業部会が南北事業の妨げになっている」との指摘が相次ぐなど、様々な議論が交わされたことも大きい。

 これらの対応を朝鮮側は評価したのではないか。

 韓国はその後の7月3日、実際に安保外交ラインの交代人事を発表している。大統領安保特別補佐官に鄭義溶(前国家安保室長)、大統領府国家安保室長に徐薫(前国家情報院長)、国家情報院長に朴智元(元民生党議員)、統一部長官に李仁栄(民主党前院内代表)を起用。朝鮮通を登用し、北南対話の復元を狙ったものとみられる。北南関係修復のためにかつて自身と対立したこともある朴智元を起用するなど、文在寅大統領の意気込みが伝わってくる。

 その一方で、「6.25戦争第70周年記念式」での文在寅大統領によるスピーチはよくなかった。「北朝鮮との体制競争で勝利した」かのような内容は、それを聞いて朝鮮側がどう思うかという配慮に欠けている。

 ただ、現時点までに朝鮮側はこのスピーチに対して反応していない。

北朝鮮は米国との対話を拒否しないが、譲歩もしない

Q 南北対話と米朝対話はやはり切っても切れない関係にありますが、今後の米朝関係はどうなるでしょうか。

 7月7日にビーガン国務省副長官兼対朝鮮政策特別代表が訪韓予定であるが、これに先立って、7月4日に崔善姫第1外務次官が談話を発表した。

 談話では、「朝米対話を自分らの政治的危機を処理するための道具としかみなさない米国とは、対座する必要がない」とけん制し、「すでに米国の長期的な脅威を管理するためのより具体的な戦略的計画表を練っている」と述べている。

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