文大統領就任で電話は止むもその直前に禁韓令スタート

文大統領就任で電話は止むもその直前に禁韓令スタート

大韓民国駐中国大使館(北京) 出典 钉钉 [Public domain], via Wikimedia Commons

文大統領就任で電話は止むもその直前に禁韓令スタート

韓国領事館からの民業圧迫電話 政権交代でなかったことに(1/2)の続き。

 北朝鮮ツアー実施を認めたあとに、口頭で、「では分かりました。北韓(北朝鮮)ツアーは中止しますよ」と答えると、「分かりました」と電話は終わるらしく、S社代表はなんのための確認なのか気味が悪いと話す。

 この話が事実なら中国という第三国での韓国領事館からのこの内容の電話は内政干渉に当たるのではないだろうか。

 9年ほど続いたこの業務妨害に近い韓国領事館を名乗る者からの電話は、2017年5月の文在寅大統領誕生でピタッと止まったという。その前、同年3月以降は禁韓令で韓国への団体旅行が禁止されたため中国人が韓国へ行くなら個人で行くしかない状況だった。

ノーフォローの韓国領事館に落胆

 中国人は韓国へ入国するのにビザが必要なので、旅行会社はビザ手配の窓口となって仲介するくらいと得られる手数料は微々たるものだと嘆く。20年前ならパッケージの団体旅行が組めなくてもホテルや現地での移動手段などを代理予約して多少の利益を得ることもできたが、現在は中国でもホテルをオンラインで簡単に予約できるので旅行会社へ頼む人は減っている。

 しかも、さんざん電話してきては上から目線で確認していた韓国領事館は、文政権になってからは、まるでなかったかのようになんのフォローもないことにS社は落胆し、韓国と関わる意味がないとまで話す。

南北ツアーを分離したり外注へ出して韓国かわし

 S社は17年以降は日本旅行へさらに力を入れ、それまであまり力を入れていなかった北朝鮮旅行への集客も力を入れ始め17年以降は年間数千人を超える中国人の北朝鮮旅行を手配しているという。

 「(北)朝鮮は特殊な国家なので手配した旅行会社が得られる利益は非常に少ないのですが、北朝鮮側の担当旅行会社が“中国人の扱い”に慣れているので大きなトラブルになることもなく私たちとしては楽なんです。あとは、出発地の瀋陽や丹東などのホテルやそれぞれの都市での1日観光などをセットにして提案して利益を出しています」(瀋陽の旅行会社S創業者)

 朴槿恵時代に頻繁に電話を受けた旅行会社の中には韓国ツアーへ力を入れている会社もあり、韓国ツアーが止められることを恐れて、南北のツアーを形式上、分社化して分けてみたり、北朝鮮ツアーのみを本体から切り離してアウトソースしてみたり“韓国かわし”の工夫を凝らしたようだ。

政権交代による政策変更がピンとこない中国人。日本も似たようなものか

 韓国に限らず、2大政党制で与野党が政権交代すると政策自体が大きく方向転換することはあるが、韓国ほど大きく変わる国は珍しいとの声もある。
 
 文在寅政権が誕生で世界各国の韓国大使館、領事館の多くの外交官は帰国し、文派の関係者が新しく赴任している。政権交代自体がない中国人にはより不思議に感じるに違いない。しかし、日本も戦後、政権交代は2度しか起こっておらず、自民党一党による長期政権の国なので、中国のことは言えないのかもしれないが。

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