中国系移民と韓国系移民の商習慣の違い

中国系移民と韓国系移民の商習慣の違い

バンコク郊外のタイ人向けディスコ。聞けば外国人客は韓国や中国が中心。こんなところにも韓国人が住んでいるのだ

 タイの商習慣は中国に似ていて、各地に問屋街がある。同じ系列の店が軒を連ねるが、日本人は似通った店が近隣にあることを好まない。韓国人も同様のようで、最近出店している個人経営店は多くが郊外などライバルがいないところを狙う傾向にある

 韓国系移民の多いアメリカ西海岸でも同様に韓国人の新移民者たちは競合のない地域に店を出してきた。特にミニマートが多く、誰も店を出したがらない治安の悪い地域に出店することも少なくなかった。しかし、オーナーは比較的安全な場所に居を構える。そのため、売上金は閉店後に他地域に持ち出すこととなり、地域住民からすれば地元の金を奪っているように見えてしまう。そのため、暴動が起こると真っ先に狙われるのが韓国人経営のミニマートというのがアメリカの現実だ。

郊外出店で成功する韓国人移住者。K-POP人気も売上をけん引

 タイの場合は比較的好意を持って受け入れられている。タイに来た韓国人新移住者は韓国料理店を出すことが多い。和食ほど認知度は高くないが、タイ人もバーベキューなど焼肉は好きで、しかも日系の焼肉よりもずっと安いので、所得レベルがあまり高くない郊外に行けば行くほど人気が出る。韓国ドラマやK-POPの人気も韓国料理需要をけん引しているだろう。

 ただ、韓国人移住者の新型コロナウイルスの影響も甚大で、現在は出国者数が入国者数を上回っている状態だ。和食店もタイ人向けにやっていた店は客足が戻っているが、日本人相手に経営していた店はいまだ苦戦している。こうなると、互助会を形成しやすい中華街のような集合地域があったほうがよかったのかもしれない。集合地域や互助会がないと個人で戦う必要があるため、韓国移民はしばらく苦労しそうだ。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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