2021年の美女カレンダー出国できず…

2021年の美女カレンダー出国できず…

2020年高麗航空カレンダーで人気を博す9月のCA写真

 例年、この季節になるとメディアで取り上げられる北朝鮮美女カレンダー。先月末まで部数は減るも中国へ輸出される見込みだったようであるが、どうやら今年はまったく輸出されないことが明らかになった。

 経由地である中国へ輸出されないということは当然ならが日本へも入ってこないことになる。

 すでに北朝鮮の『労働新聞』や「画報朝鮮」など定期刊行物と呼ばれる紙媒体は8月を最後に中国へ届いていない。しかも8月分も4月以降では唯一の1回だった。定期刊行物はすでに今年の中国への出荷は絶望的である旨が北京の北朝鮮出先機関から通達が出されている。

研究者が注目する1月8日

研究者が注目する1月8日

2020年1月の北朝鮮暦。2020年版も平日扱いになっている1月8日

研究者が注目する1月8日

 毎年買って飾るという熱狂的なマニアがいる美女カレンダーこと「高麗航空」のカレンダーは表紙、毎月の図柄などが注目される人気ナンバー1北朝鮮カレンダーとなっている。

 もっともマニアは飾る用、保管用と2部以上所有し、ページも破らずに丁寧にめくって保存しているそうだ。曰く吊り具が弱くきれいにめくれないことが多いので慎重かつ丁寧さが必要とのこと。

 一方、研究者が注目するのは図柄や写真よりも新しい年の祝祭日や紙質、添えられる言葉などに着目している。

 金正恩委員長が最高指導者になって以来、生誕日とされる1月8日が祝日扱いになるのかも注目される点だ。

輸出予定だったカレンダーが出せなくなったワケ

 今年2020年版の北朝鮮カレンダーの暦では2月16日の光明星節(金正日総書記の生誕日)と4月15日の太陽節(金日成主席の生誕日)の2か所のみが特別の太字が採用され、指導者名も太字で強調されている。つまり、ここへ格上げされるのかに研究者は目を光らせているのだ。

 新聞やカレンダーなど紙製品は一部の例外を除き北朝鮮から陸路で中国へ運ばれている。新型コロナウイルス対策で中朝貿易は激減するもゼロにはなっておらず、最小限の輸送は継続してきた。

 ところが、『正論』12月号によると、8月末に中国側が国境封鎖を強化し、往来するトラックは週20、30台と8月までと比べても激減した。さらに、9月20日に完全封鎖し中朝を往来する車両は途絶えた。いずれも中国側が主導して封鎖を強化したと伝えている。

持っていれば高額転売。でも逮捕されるかも

 中国に入らない以上、日本で北朝鮮書籍などを扱う専門店でも来年の高麗航空カレンダー入荷は絶望的な状況となっている。

 もし、奇跡的に2021年(主体110)高麗航空カレンダーを持っていたら購入価格の100倍以上の高額に跳ね上がるかもしれない。しかし、「メルカリ」等で高額転売すると本来、紙製品だと見逃れることが多い不正輸入に加えて不当に利益を稼いでいると判断されて外為法違反の嫌疑がかけられ、最悪、逮捕される恐れがあるのでくれぐれもご注意を。

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