隔離期間だけで2か月間におよぶかも

隔離期間だけで2か月間におよぶかも

北京首都国際空港。平壌便は平時であればT2から離発着している

隔離期間だけで2か月間におよぶかも

平壌へのチャーター便の噂 日本から依頼か? 待つのは…(1/2)の続き。

 さらに問題は、北朝鮮へ入国後にどのくらいの期間の隔離を受けるのかまったく情報がないことだ。春先の情報では一律30日間と伝えられていたが、現在も同じなのか、それとも14日や10日などに短縮されたのかも定かではない。

 ここで春先と変わらず30日間の隔離を受けると想定すると、出発から中国で14日間、北朝鮮で30日間、帰路の中国で再び14日間と日本へ戻るまで北朝鮮滞在時間を除き2か月間以上を隔離先で過ごすことになる。加えて言えば、日本へ戻ってきても自宅やホテルなど申告した場所での2週間の隔離の要請を受けることになる。

 前出の上海の旅行会社関係者は、中国の新型コロナウイルスへの警戒心はいまだに非常に高く1月に突然解除される見込みは薄いと話す。

国内安全、国外危険の“鬼は外”状態

 現状、中国でPCR検査での新規陽性者は1日あたり平均20、30人と国内での発生は抑え込んだと大々的にアピールしている。確認される新規陽性者のうち多くが帰国や外国人入国者であると中国の官製メディアは大きく伝えており、“鬼は外”を演出し続けている。その効果なのか「国内は安全、国外は危険」という雰囲気ができあがっている。

 「今の中国で平壌へのチャーター便を許可したことがSNS等で拡散したら『ウイルスが外から持ち込まれる』という市民の不安と怒りが中央政府へ向く可能性があります。それくらい外を警戒しているんですよ」(上海の旅行会社関係者)

 今は日本在住の中国人が中国のSNSへ日本の情報を書き込むケースも珍しくないためいくら強力な情報統制を敷く中国であっても隠し通すのが難しい時代になっている。

隔離なしでのトランジットは考えづらい

 日本で噂された平壌へチャーター便を飛ばすという話は、中国へ状況確認をした程度だったのが事の真相なのかもしれない。

 日本から毎年のように訪朝するような友好団体の参加者は、実業家や大学や研究機関のの研究者、元地方議員など社会的地位も年齢も高い人が多い。そんな多忙な人たちが2か月間も日本を空けるけて訪朝できる人がどのくらいいるのか。漏れ伝わるところによると中国で隔離されるホテル環境は“なかなかハード”なようなので、年齢が高い人たちにとっては“監獄のほうがマシだ”という環境かもしれない。
 
 もっとも中国なので、人脈を駆使すれば特別な隔離ホテルや隔離期間をこっそりと5日や8日などへ短縮するようなことはありえると思われるが、それでも、そのまま隔離なしでトランジットさせるとは考えづらいというのが上海の関係者の認識だ。

義務化された防疫アプリのインストール

義務化された防疫アプリのインストール

防疫を理由にアプリのインストールが義務化(イメージ写真)

義務化された防疫アプリのインストール

 もしかすると、今回の北朝鮮へのチャーター便計画は、中国は入国なしのトランジット、北朝鮮では例外として隔離なしという前提や段取りでの計画だった可能性がある。

 経由地の中国では11月30日から「ビジネストラック(中国側の呼称はファストトラック)」と「レジデンストラック」という運用が始まっている。

 前者のビジネストラックは14日間の隔離なしで限定された範囲でビジネス活動できるものであるようだが、ともに特殊な「防疫アプリ」のインストールが義務付けられている。これが問題で「TikTok」や「WeChat」なんてかわいく思えるくらい強力に個人情報を抜き取るアプリと指摘されている。

中国政府にとって日本からの友好訪朝団は宝の山

 現在は非常事態で安全保障にかかわるという理由を挙げて個人情報を吸い上げるアプリを合法的にインストールさせることに成功しているわけだ。

 中国政府は平時であれば出張者や旅行者まで義務付けられることができなかったものが防疫を理由に安全保障にかかわると外国人の私権を制限して、少なくてもこの20年できなかったことを実現させたことになる。

 日本からの友好訪朝団には中国政府が喉から手が出るほど欲しい情報の塊だったり、弱みを握りスパイ罪をチラつかせて脅して中国政府の代理人のような活動に従事させたりでできる有力者も少なくないであろう。そう考えると、想像の域は出ないが防疫アプリ強制インストールも計画中止になった理由の1つなのかもしれない。 

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