体験談風の宣伝投稿があふれる中国SNS

体験談風の宣伝投稿があふれる中国SNS

韓国から来ました…と林智慧(イム・ジヘ)を起用した中国の美容整形広告

 中国上海や北京、深センなどの繁華街を歩くと目に飛び込んでくるのは美容整形の看板。その中で多いのが「韓式」の文字だ。中国語の式は、〇〇流や〇〇のという意味となり、韓国の美容整形とアピールしているのだ。

 中国は日本より規制が緩いため美容整形のネット広告が大量にあり、SNSでも体験談風の宣伝投稿が大量にヒットする。

 ある武漢の韓国式美容整形の宣伝投稿を見ると、

 「世界トップクラスの韓国の美容整形技術」特に当院では二重まぶたの整形において独自の考えを持っています。韓国3点二重まぶた整形手術は、埋没法と切開法の中間の新しい二重まぶた手術の方法です。目元の3点への手術で自然な二重まぶたが形成され、より美しい仕上がりとなります。

 現在、中国のSNSなどを見ると、韓国美容整形の中でも二重まぶた手術と脂肪吸引についての宣伝投稿が多いようだ。つまり、これらの手術、施術の利益が高いのだと推測できる。

韓国人医師は執刀しない

 多くの韓国美容整形を名乗る病院やクリニックの執刀医は韓国人医師ではない。日本同様に中国で医療行為を行うなら中国の医師免許を持っていないと実際の執刀はできない。

 それが建前であるが、2000年代前半までは豊富な実績と高い医療技術を持つ外国人医師へ“特別に”中国の医師免許を発行していた時代があるのだ(医学大学で客員教授などを務めるなどで)。しかし、中国人医師の技術向上や雇用を守るためか、最近は厳格化され、中国で医師免許を取得するためには、留学して高度な中国語を学び医学大学を卒業して医師国家試験に合格する必要がある。

 上海などには、例外的に外国人医師が中国の医師免許なしで直接治療できる特区があるが、高額な手術や高度治療などに限られている。

韓国ドラマやK-POPと美容整形をセットにして官民で売り込み

 実は、中国で韓国美容整形が先進的で優れているというイメージは、韓国政府が全面支援して築き上げたものだったりする。

 中国でも人気の韓国ドラマや映画、K-POPなどと美容整形をセットで官民一体となりイメージアップ戦略を押し進めた。ドラマなどで中国でも知名度を獲得した女優やK-POPアーティストをCMで起用しテレビやネットでガンガン流すことで韓国の芸能人=美容整形というイメージを中国の中で定着させることでブランド化に成功している。
 
 中国では韓国美容整形のブランド化により施術単価が上がったために猫も杓子も韓国式を名乗るようになったと言われる。

 このような現象は他業種でも起こっている。日本料理がブームとなり高級食としてブランド化すると日本料理店は儲かるとして、日本料理未経験者が次々と本格日本料理店の看板を出して営業を始めてしまうのだ。

 ちなみに、韓国美容整形を名乗る中国人開業医で実際に韓国へ医学留学や研修を受けた人はほとんどいないそうだ。

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