北朝鮮が英アストラゼネカ製ワクチンを確保

北朝鮮が英アストラゼネカ製ワクチンを確保

12日、旧正月を迎えたことを伝える13日付け労働新聞(提供 コリアメディア)

 世界的ワクチン供給組織「コバックス・ファシリティ」(COVAX)は2月3日、新型コロナウイルスのワクチン供給量などに暫定計画を発表し、その中で北朝鮮への供給が確認された。北朝鮮によるワクチン確保が公式に発表されたのはこれが初めてとなる。

 コバックスは、2021末までに低中所得国を含む参加国にワクチン20億回分を配布することを目標としており、今回発表したのは2021年上半期の供給計画。

 発表によると、北朝鮮は英アストラゼネカ製ワクチン(インド産)199万2000回分(99万6000万人分)の供給を受ける予定である。

 このうち35%~40%が2020年第1四半期中(1~3月)に、残りは第2四半期(4~6月)に供給されることになっている。北朝鮮については「無料または格安での購入」となっており、2月末頃からの配布が予定されている。

 アストラゼネカ製ワクチンは、世界保健機関(WHO)が15日に緊急使用を承認(米ファイザー製に続いて2例目)。その有効性に注目が集まっている。

あくまで非常防疫体制を優先する意向の金正恩総書記

 ワクチンを確保した北朝鮮では、いまだ新型コロナウイルスの感染者は「ゼロ」とWHOへ報告されている。

 海外からは、この報告を疑問視する声もあるが、昨年1月以降、国境を封鎖するなど徹底した対策を講じてきたのは事実である。

 朝鮮労働党機関紙・労働新聞は連日、新型コロナウイルスの変異株が世界各国に拡大している現状を伝えるとともに、「対策に気を緩めてはいけない」と人民に訴えている。

 一方で、国境封鎖などの反動で経済の停滞は深刻であり、今年1月の第8回党大会でも「経済目標未達」の要因としてあげられている。

 だが、北朝鮮に新型コロナへの警戒を緩める気配はない。

 金正恩総書記は2月8日、党中央委第8期第2回総会において、「非常防疫状況が続く中でも、活気を帯びて経済建設を推し進め、人民により安定して向上した生活条件を提供するための重要措置を取ろうとする党中央の決心と意志」を表明している(2月9日付労働新聞)。

 このように、あくまでも非常防疫体制の中での経済建設を目指す方針である。

ワクチンの有効性が確認されれば防疫体制に変化も

ワクチンの有効性が確認されれば防疫体制に変化も

非常防疫体制を緩めない金正恩総書記(提供 コリアメディア)

ワクチンの有効性が確認されれば防疫体制に変化も

 今回、感染者ゼロの北朝鮮としては、将来、感染者が発生した場合に備えてワクチンを確保した形となる。

 このことで、北朝鮮の経済活動にどのような変化があるか注目である。

 北朝鮮の非常防疫法では、非常防疫体制の解除条件として、1.伝染病が他の国や地域から国内に入り込む可能性が完全になくなった場合。2.伝染病が入り込んでも十分に対処できるようになった場合。3.国内で発生した伝染病が人民の生命と安全におよぼす危険が完全に払拭された場合。とある。

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