2017年ごろタイへ上陸

2017年ごろタイへ上陸

ビンスーもピンキリ。このビンスーはバンコクでも比較的高級な部類に入るタイプ

 韓国人は物をうまく見せることに長けている。韓流ドラマや映画、K-POPを見ればその手腕の高さは納得であろう。韓国スイーツも同様で、近年は韓国で流行したスイーツがタイでも人気になっている。その中ですでに定着したものに「ビンスー」がある。

 ビンスーは氷菓のことで、韓国式かき氷である。原型は韓国の氷菓「パッピンス」とされ、元は小豆の氷菓を指していたらしいが、近年は韓国内で雪のようにきめ細かに削った氷にカカオパウダーなどを振りかけることで、アジアと欧米のスイーツが融合したような見た目と食感に仕立てられて流行したようだ。それがタイにも取り入れられ、韓国語で氷を意味する「ピンス」がタイ語に訛り、ビンスーと呼ばれるようになった。

 実はすでに当サイトでビンスーについて記事にしている。2017年ごろにはバンコクに上陸していて、様々な飲食店やカフェなどでも見かけるようになった。

短期間で定着したビンスー

 現在も韓国料理というと焼肉、トッポギ、キムチがタイ人に知られる主なものになる。逆にそれ以外の韓国料理は、あまり知名度が高くないとも言える。K-POPや韓流ドラマが席巻している割には韓国料理の知名度は高くない。単純に和食ブームに完全に負けているからだとも言える。そんな中では、今ダントツに定着しているのがビンスーだ。

 ただ、定着しすぎたことで、おかしな現象が起こっているようにも見受けられる。そもそもビンスーが何だったのか忘れられているのか、タイ人の中には、このスイーツは日本発のものだと思っている人も出てきているようだ。

 実際、おしゃれなカフェの中には日本発のスイーツを売りにしていたり、日本から輸入した食材、あるいはテクニックで作っていると謳うところが少なくない。そんな店でもビンスーを扱うため、中には、これが日本料理の1つだと思い込んでも仕方がないことかもしれない。

タイ人にとっては日本も韓国も同じような国

タイ人にとっては日本も韓国も同じような国

日本のスイーツカフェのような触れ込みで人気があるカフェでもビンスーが食べられる

 タイ人にとって日本人と韓国人、あるいは日本と韓国は同じような国というのが一般的な認識だ。文化も同じで、中には言語も共通だと思っているタイ人もいる。タイ、ベトナム、カンボジアの区別がつかない、タイの隣にラオスという国があることは知っていてもどんな国か説明できない日本人が多いことに似ている。

 観光業に従事しているタイ人や外国人を相手にしたサービス業で働いている人には見分けがつくようだが、本当に一般のタイ人は、日本人も韓国人の見た目も同じだと見ている。

 タイ人が古いことや過去のことにこだわらないのも勘違いの要因でもある。どこからビンスーが来て、どういった経緯を経てタイ人に支持されたのかなどを分析したり、振り返って考える人がほとんどいない。

 この点に関しては日本人が細かすぎるとも言え、タイ人のおおらかさを感じるエピソードとも言えるのだが。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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