外国企業の初進出先に適するホーチミン

外国企業の初進出先に適するホーチミン

観光の中心地ホーチミン市1区

外国企業の初進出先に適するホーチミン

 ベトナム南部の商業都市ホーチミンは、首都ハノイよりも近代的な街並みになっていて、外国企業もほとんどが最初の進出先にハノイではなくホーチミンを選択する。

 飲食やリテール業に関しては、港の倉庫の体制がホーチミンの方が優れているという事情もあるようだが、購買力や行政の対応も比較的外国企業に向いているとされることが大きな理由のようだ。韓国企業も同様で、多くの韓国人がホーチミンに居住している。

 ホーチミン市は、19の区と5つの県に分けて管轄されている。区は東京などのように名称ではなく主に数字で区分けされ、中心になるのは1区だ。ベトナム戦争のころの呼び名であるサイゴンは基本的には1区、それから3区の中心地を指す。この辺りに観光スポットやショッピングエリアが凝縮されているので、観光客も1区の中だけで過ごす人が大半だ。日本人街と呼ばれるエリアも1区の中にある。

新興エリアなので区画も道路もきれい

新興エリアなので区画も道路もきれい

7区の店舗の看板にはハングルが多く見られ、韓国人街と呼ばれる所以(ゆえん)が分かる

 韓国人は、東南アジア全般で見ても分散して暮らす傾向にあるが、ホーチミンは、東南アジア内でも比較的大きな居住区を形成しているようだ。そんな彼らがいるのが7区になる。1区から見ると南に下ったエリアで、ベトナム人からは、高級住宅街という認識で見られている。

 先述のサイゴンは昔ながらのエリア、あるいは、旧市街を指すものであり、この7区は、ベトナム戦争以後に開発された地域とされる。そのため、街並みは、やや人工的ではあるがきれいで、道路もしっかりと舗装されている。

 高級住宅街であり、一部の人々からはコリアンタウンとも呼ばれる。それほどにこのエリアに住む韓国人は少なくない。団地のように整然と高い建物が並んだ地域は、歩いている子どもや学生が、ほぼ韓国人であると言っても過言ではないほど。ただ、日本人居住者も実際には少なくない。日系企業駐在員が多く暮らしている。というのは、日本人学校もこの7区内にあるからだ。

風俗産業に厳しいはずの社会主義国だが

 1区からも車で20分かかるか、かからないかの距離。そのため、近年はちょっと洒落(しゃれ)た飲食店もこの地域にあり、在住外国人のほか、ガイドブックに掲載される店も増えたことで観光客も増えていた。一方で、主に日本人男性からは7区というと特殊なナイトスポットと受け取られがちなようだ。

 それは、区内のあるエリアに男性向けのマッサージ店、あるいは、美容スパが何軒かあることが要因だ。この中の一部は個室内で性的なサービスも行われている。それが口コミで伝わり、韓国人男性だけでなく、日本人男性も足を運ぶエリアになっているのだ。

 東南アジアのナイトスポットは、多くが売春と関連している。しかし、社会主義国のベトナムは、性風俗産業に対してはかなり厳しい取り締まりがある。それゆえ、おおっぴらに営業はしていないことから、ベトナム語ができない人にはそういったサービス店を見つけることが簡単ではない。

 ところが、7区のマッサージ店などは看板にこそ、そういったサービス名はないけれども、ネットや口コミで容易に場所を知ることができ、観光客でも遊ぶことができる
 

コロナ禍で風俗エリアは浄化中?

コロナ禍で風俗エリアは浄化中?

7区は洒落(しゃれ)た店が多く、1区と並んで普通の夜遊びにも人気がある

 日本人学校もある新興高級住宅街でありながら、一方では、区内の一部は分かりやすい性風俗産業のエリアにもなっている。とは言え、現在は、新型コロナウイルスの影響で、外国からの観光客は完全にシャットダウンしているベトナム。外国人に頼っていたこの7区もシャッターを下ろしたままの店舗も著しく増加していると、現地では報道されている。

 コロナ禍の影響で区内全体が浄化され、より住みやすい地域になるかもしれない。それがホーチミン市7区である。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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