平壌レーサーとは?

 1月30日、中国のSNS上に個人名のアカウントで「ゲーム紹介」として北朝鮮が初のインターネットゲームを開発したと発信していた。

 ゲーム名は直訳すると平壌カーレース。どこかで見覚えがあると思ったら、新しいものではなく、2012年に公開された「平壌レーサー」のことだった。

 8年ぶりにサイトアクセスしてみると、まだサイトは残っていた。しかし、当時よく使われていたFlash(フラッシュ)を使ったゲームのため、現在の主要ブラウザーでは、デフォルト無効になっているので、そのままでは表示されない。ゲームをプレイするには、手動でフラッシュを許可する必要がある。

 平壌レーサーは、2012年12月18日に公開された初のインターネットゲーム。オンライン対戦する機能はない、ただのインターネット上で動かすゲームだ。

 ゲーム設定は、平壌の街中を走り回るとレースゲームという、いたってシンプルなもの。平壌の町並みは再現されているが、人物は登場せず、レースと言いながら、ライバル車もほとんど登場せず、「アウトラン」状態で走る。製作は、金策工業総合大学ノソテックという会社が開発したとなっている。


Pyongyang Racer – First North Korean Video Game

ゲームは単調だがマニアを熱くする仕様が

 このゲームが登場した当時、最高指導者が金正恩氏となり1年が過ぎたころで、観光面での解放など新時代を期待する風潮が強かった。

 中には、F1モナコグランプリのように平壌の街をコースにした市街地レース実施を期待する声も挙がっていた。その前に平壌の街を平壌レーサーでバーチャル体験しようと話題なったのを覚えている。

 ゲーム自体は、正直それほど面白いものではない。注目するべき点は音楽にある。ボーカルなしではあるが、ゲーム中に流れる曲は、牡丹峰(モランボン)楽団、普天堡(ポチョンボ)電子楽団、旺載山(ワンジサン)軽音楽団の楽曲が使用されていてファンを楽しませるものになっている。ちなみに登場する車は、平和自動車のヒュパラムⅡ

高麗ツアーズがプロデュース?

高麗ツアーズがプロデュース?

平壌レーサーのサイト。遊ぶ気になれば今でも遊べるはず

高麗ツアーズがプロデュース?

 平壌レーサーを世に知らしめたのは、北京にある高麗ツアーズだ。同社は、現在も販売しているか不明だが、平壌レーサーTシャツも販売している。

 英国人が創業した高麗ツアーズは、その後も春の平壌マラソンのメインスポンサーを務めたりと北朝鮮の観光事業へ積極的に協同をしている。

 高麗ツアーズは、国籍混在での英語案内のグループ旅行を主に企画、実施している旅行会社で、同社のツアーには、新型コロナウイルス感染対策で外国人の観光入国が停止される前までの情報となるが、日本人も参加することができた。

 一方、同じく英国人が創業者とされるヤング・パイオニア・ツアーズ(中国・深セン)への日本人のツアー参加は、申込後に断られる状況が続いている。推定される理由は別の機会でご紹介したい。

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