中国政府が薪と着火剤を用意?

中国政府が薪と着火剤を用意?

出発を待つ台湾高速鉄道(台湾新幹線)

続 高須院長中国SNSパイナップル炎上 中国官製ヤラセ疑惑を検証の続き。

 さすがに全コメントが官製のヤラセではないだろう。まずは環球時報が記事を投稿する。これが薪だとして、続けて、短時間に一気にコメントを連投する。これがいわば着火剤となり、一般ユーザーを呼び込んで炎上させる。

 傍目には、中国人が怒りの民意を示している、と見えるような演出をしているのではないだろうか。実際は、薪(環球時報)も着火剤(ヤラセコメント)も中国政府が9割ほど用意しているような官製炎上なのもしれない。

 中国政府は、今回の台湾パイナップル禁輸の投稿で、国内世論をどう誘導し、炎上させたい目的を持っていたのかを以下で想像してみることにする。

予想に反し中国政府へ批判的なコメント殺到か

 メインの目的は台湾叩きだろう。「台湾に非があるのに逆ギレして中国へ筋違いな攻撃をしている」。そこへたまたま高須クリニックの高須院長のうってつけのツイートを見つけたので便乗して攻撃。しかも、環球時報は高須氏を過去にも複数回、個人攻撃しているので、叩きやすいという点もあったかと思われる。

 台湾を叩き、ついでに高須氏や日本も叩き、9割以上の微博(ウェイボー)ユーザーが全面支持するコメントであふれて大成功という筋書きだったのではないだろうか。

 ところが、現在、新規でコメントが書き込めず、コメントの75%強が削除されているということは、中国政府の思惑とは違い、パイナップル禁輸へ批判的なコメントが殺到したのではなかろうか。そこで、慌てて作戦終了…は、勝手な推察となる。

 そもそも輸出分のパイナップル4万トンなら、日本1国が動いて輸入を増やせば十分にカバーできる量である。ちなみに日本のパイナップル輸入量は15万9000トン(2018年・財務省貿易統計)。

 環球時報が高須院長を個人攻撃するとより注目されて、結果として中国政府がもっとも警戒する日台連携がより強化される方向へ動いてしまったことも作戦中止の理由かもしれない。

BTSやブラックピンクも一番槍で切り込む環球時報

BTSやブラックピンクも一番槍で切り込む環球時報

2019年10月14日の環球時報投稿と限られた時間帯に書き込まれたコメント

BTSやブラックピンクも一番槍で切り込む環球時報

 今回の「失敗」は、昨年10月の防弾少年団(BTS)や翌11月のブラックピンク叩きを思い出させる。ともに一番槍で勇ましく切り込んだのは環球時報だった。

 10月14日、環球時報がBTSを非難する投稿は、現在も確認できる。ちょうど10月25日(朝鮮戦争への正式参戦日)直前だったので、もっと愛国心を喚起するように中央政府から至上命題が与えられていたと推測できる時期だ。

 このときの投稿へのコメントは659件あり、分析すると、10月14日の12時15分前後に集中している。高須氏批判投稿と似たパターンであることがわかる。

 BTS炎上は、中国国内の女性ファンから猛反発を受け一気に沈黙している。この投稿も現在、コメントをしても表示されない。

 中国政府はネット世代である若年層を思い通りに動かすことに苦戦しているようだ。

 さて、今回の高須氏への攻撃は今年1月に軽く成功したので、二番煎じを狙ってやって自滅した可能性がある。

参考サイト
中国のSNSで炎上、BTSに流れ弾…背景は 朝鮮戦争巡る式典発言西日本新聞

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