19年10月から丹東でコーチを務める

19年10月から丹東でコーチを務める

名称変更前の丹東瀚通のウェイボー公式アカウント

19年10月から丹東でコーチを務める

 中国のプロサッカーリーグ乙級(3部)に所属する丹東騰躍の北朝鮮人ヘッドコーチが、試合で姿を見せたと中国SNSのサッカー情報アカウントが投稿している。

 投稿では、「丹東騰躍の北朝鮮人ヘッドコーチ権龍駿氏は、北朝鮮人として初めて中国プロサッカーリーグのコーチに就任した人物だ。45歳の権氏は、北朝鮮国内の強豪425サッカーチームのアシスタントコーチやヘッドコーチとして指導実績があり、AFCカップの試合でチームを指揮したこともある。

 権龍駿氏は、2019年10月に北朝鮮と国境を接する丹東に到着し、丹東騰躍へ名称変更前の丹東瀚通にヘッドコーチとして採用された。丹東騰躍は、5月15日、今シーズンの初戦となった湖北青年戦を1対1で引き分けた」と伝えている。

「給料はいくらもらっている?」などのコメント

 18日、中国時間正午過ぎに権龍駿氏の顔写真とともにSNSへ投稿された記事に対して、「通訳は朝鮮族がしているのか?」「丹東には旅行で行ったことがあるけど北朝鮮人がたくさんいるぞ」「このチームには朝鮮族選手はいない」「北朝鮮政府からの派遣?」「昨年はヘッドコーチではなかったよ」「この人は女子代表を指導していたのでは?」「顔が丸くて福がありそう」「給料はいくらもらっているのかな?」などのツッコミに近いコメントが多数書き込まれている。

 このニュースは、複数のアカウントでの投稿が確認でき、最も多い投稿には、43コメントが書き込まれている。現時点では、その多くが削除されずに残されているようだ。 しかし、国連制裁にかかわる就労ビザについてのツッコミは削除されたのか確認できない。

国連制裁違反の労働者?

 権龍駿氏は、そのまま考えると北朝鮮人労働者に該当しそうだが、ビザはどうなっているのであろうか。

 中国の就労ビザは1年更新となる。更新は出国や帰国しなくても中国国内にいながら更新することができる。しかし、現在、すべての国連加盟国は、北朝鮮人労働者への新規の就労ビザ発行や発行済の就労ビザの延長を停止する国連制裁を履行しているはずだ。

 もっとも権龍駿氏が丹東に着任した2019年10月時点では、北朝鮮人への新規の就労ビザは、すでに発行できなかったタイミングとなるので、最初から労働者扱いではなく、別の名目での滞在ビザ、たとえば、規定の実績を満たすと発給される音楽家や芸術家向けのアーティストビザ(A)、留学生ビザ(X)などを発行している可能性も考えられそうだ。

 中国政府は、動労ビザを発行していなければ、国連制裁履行を遵守していると主張することはできる。

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