商品を受け取ってからの後払い

商品を受け取ってからの後払い

大連や瀋陽への快速(高速)鉄道と平壌への国際列車で同じ入口を利用する丹東駅

 中国税関総署が4月の中朝貿易統計を発表し、4月は3月比較でも大きく貿易額を増やしたことがわかった。

 4月の貿易総額は、3060万ドル(約33億円)、そのうち北朝鮮からの輸出分は185万ドル(約2億円)と北朝鮮から見て輸入超過の貿易赤字が続いている。それでも、発表される数字上、中朝貿易は順調に回復していることがわかる。

 瀋陽で北朝鮮との貿易を行っている商社へ現状を取材すると、昨年8月から輸入が止まっている製品は、いまだに輸入されていないと話す。

 「うちは(北)朝鮮の工場から女性用衣類を作る素材を購入しているのですが、昨年8月末を最後に届いていません。北京の事務所へ連絡すると新義州で止められているとのことです。(メーデー)連休明けにも連絡すると、現在も輸出手続きは再開はしていないようです。朝鮮へ運搬したトラックや貨物列車の戻りは空っぽに近いはずなので、未輸出品を積んで持ってきてもよさそうなものですが、民間の交易は、まだまだ後回しのようです」(瀋陽・商社代表)

 新義州へ留め置かれて9か月、「すでに処分されてしまっているのでは?」と質問すると、

 「処分はされてないと思います。保管する場所はとっても腐るものではありませんし、朝鮮はこの手の約束は守ってきてます。そもそも私たちは商品を受け取ってから代金を支払う後払いなので、朝鮮からすれば、商品をしっかりと輸出して渡さないと人民元(外貨)が得られないので、処分はしないと思いますよ」(同)

 商社代表が話す処分しないだろうとの根拠は、貿易費用が後払いだからのようだ。

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