これに対して、アメリカ政府は「日本が少なくとも350年間完全で有効な管理を対馬で行ってきたことは疑いの余地がない」として、李承晩大統領の声明を否定。サンフランシスコ講和条約でも韓国は対馬を自国領とするよう執拗に要求したが、これも拒絶されている。

 しかし、これで安心はできない。サンフランシスコ講和条約では、対馬と同様に韓国の主張を退けて日本領となった竹島も、1953年に韓国がこれを不法占拠してその実効支配が現在も続いている。対馬もそうなる可能性はあった。朝鮮戦争開戦直前には、韓国軍が対馬占領の作戦計画を練っていたと言われる。

 さすがに現在では軍隊を使った対馬占領の可能性は低いだろう。しかし、大量の観光客を送り込み土地を買い占められて、やがては韓国によって島が経済的に支配される可能性は多分にある。そうなれば、対馬の返還要求が再燃するかもしれない。近年では韓国のSNSなどでも「対馬奪還」を叫ぶ声が高まっているというだけに、安心していい状況ではなさそうだ…。

参考サイト
独島記念館(日本語)
 
 トップページメニューの表示から「対馬島の表石」が確認できる。


対馬観光映像集 (MOTTO! TSUSHIMA DIGEST)
 

青山 誠(あおやま まこと)
日本や近隣アジアの近代・現代史が得意分野。著書に『浪花千栄子』(角川文庫)、『太平洋戦争の収支決算報告』(彩図社)、『江戸三〇〇藩城下町をゆく』(双葉社新書)などがある。

日韓併合の収支決算報告~〝投資と回収〟から見た「植民地・朝鮮」~』(彩図社)2021年8月30日発売予定

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