日本人と中国人、北朝鮮で感じることの違いとは?

日本人と中国人、北朝鮮で感じることの違いとは?

中国人向けツアーも平壌や開城などが中心になっている(提供 コリアメディア)

 中国のSNS微博(ウェイボー)に「北朝鮮を旅して感じる10のこと」という記事が投稿されている。

 投稿日は5日、この記事に対して174のいいねと50件のコメントが書き込まれている。

 中国人訪朝者は、北朝鮮を訪れて何を感じているのか、日本人の感想とは異なるのだろうか。

1.目にする多くの生活風景が中国の1980年代に似ている。
2.北朝鮮旅行は決して安くない。10日間で5000元(約8万4000円)かかる。
3.北朝鮮人は週6日、1日8時間働く。
4.街の商店に並ぶ商品には普通に中国製品を見つけることができる。
5.街中で走る自動車の主流は中国製。
6.外国人観光客が見る風景と北朝鮮の庶民生活は一致していない。
7.撮影禁止の場所が複数あり、同行するガイドに止められる。
8.北朝鮮の住民はスリムな人が多く、太った人は少ない。
9.中国人とロシア人観光客がもっとも多い。
10.平壌地下鉄は世界でもっとも深い地下鉄。ただし、観光客は17の駅のうち2駅しか訪れることができない。

ノスタルジーに浸るための北朝鮮旅行

 中国では特に習近平政権以降、南北での経済格差が顕著になっている。その影響もあってか、近年、北朝鮮ツアーへ参加する中国人は、広州とかアモイなど上海以南の中国南部からの旅行者が増えている。

 北朝鮮ツアーへ参加する目的を尋ねると、改革開放前の中国を思い出さてくれるなどノスタルジーに浸りたいという中国人も少なくない。

 今でも中国人は、文化大革命や毛沢東を批判することは事実上できない。なので、せめて追体験をして頭の中の思想の自由を満喫しようということかもしれない。よく中国人からは、「頭で考える自由はある」という言葉を耳にする。

 2については、高麗ツアーズ(北京)が企画した欧米人向けの朝鮮語短期留学ツアーなどを除けば、中国人向けの北朝鮮ツアーで10日間も北朝鮮を旅するものは見たことない。出入国前後の丹東や瀋陽などでの滞在も含めて10日なのかもしれいない。

 7は、中国は法律上は週6日、1日8時間労働となっているが、大都市の企業を中心に週5日、1日8時間労働が一般的になっている。そのため、北朝鮮は週休1日なのかという驚きなのだろう。

ある意味で賢い微博ユーザー

ある意味で賢い微博ユーザー

中国のSNSウェイボーへ4枚の写真とともに投稿された内容

ある意味で賢い微博ユーザー

 9は、正しくは中国人観光客が全外国人の95%以上を占めるので、圧倒的に中国人が多く、ロシア人もいるくらいになる。

 最後の平壌地下鉄は、千里馬線8駅と革新線9駅だったが、革新線の光明駅は廃駅となっているので、現状は全16駅となる。

 訪れることができる2駅は、標準ツアーでは日本人でも同じであるが、新型コロナウイルス感染防止を理由に入国停止直後に発表された有料オプションで改装された2駅の乗降ができるようになった。もしかすると、このオプションは中国人へは開放しないのかもしれない。

 書き込まれたコメントを見ると、8の体型についてのコメントが確認できる。しかし、北朝鮮の最高指導者の体型に直接言及したコメントは“整理”されたとみられる。残っているコメントは抽象的なものとなっている。

 「何が楽しいの?」「教育・医療費がすべて無料なことを忘れてはいけない」「写真の緑の建物(人民大学習堂)はまるで故宮だな」「(北)朝鮮人女性を奥さんにするためにはどうすればいい?」など書き込まれている。

 政治的なコメントを書いたら…、ウェイボーユーザーは重々承知して賢く書き込んでいると思われる。

 全体的には極端に誇張されたものでも、明らかな嘘やフェイク情報は見受けられない。実際に北朝鮮を旅行をしたか、または、体験者から聞いた内容をまとめているという印象だ。

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