中国生き残った北レスの共通点

中国生き残った北レスの共通点

鴻賓楼店内 出典 大衆点評

 新型コロナウイルス直前の北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)大壊滅により北レス王国中国の北レスは半分以下の50店舗ほどになったとみられる。

 現在、生き残っている北レスの地域を見ると共通点が見えてくる。それは、北京、瀋陽、丹東などの北朝鮮大使館や領事館、出張所などがある都市の生き残り率が高く、大都市であっても上海、大連などは大幅減となっている。

 大連には最盛期には5店舗の北レスがあったが、19年12月の大壊滅後には全滅して姿を消した。北朝鮮レストランとしては姿を消したが、中華料理店にスタッフとして働き、ホール業務からステージショーも開催するなっちゃって北レスとして生き残った店がある。

 この夏、食事とステージショーを堪能した中国朝鮮族からの報告を元に現状をお伝えする。

中華料理店で働く北朝鮮人女性スタッフ?

 大連駅と経済開発区を結ぶ大連地下鉄3号線(全線高架鉄道)の開発区駅から徒歩10分ほどの場所にある「鴻賓楼」という中華(中国東北)料理店に北朝鮮人女性がスタッフとして勤務している

 中国語では鴻賓楼酒店と書かれているが、ホテルではなく結婚披露宴などの各種大型宴会にも対応する広めのホール完備のレストランとなる。

 鴻賓楼がなっちゃって北レスになったと確認されたのは、比較的最近で2017年頃の話。それまではちょっと高めの海鮮レストランだった。

 現在、中国の検索エンジン百度(バイドゥ)で検索すると、サジェストキーワードに「大連鴻賓楼朝鮮美女」が出てくるので、知ってる人は知っていて検索する人が多いということだろう。

ステージショーも開催されるが…

ステージショーも開催されるが…

百度マップより鴻賓楼。2021年撮影分では以前なかった鴻賓楼食堂のハングル(朝鮮語)が追加されている

 8月末と9月上旬にそれぞれ食事をした朝鮮族によると、北朝鮮人スタッフは4、5人ほど確認でき、テーブル席への配膳だけでなく、個室への配膳もしていたので忙しそうだったそうだ。料理は普通で朝鮮料理っぽいものはない。

 ステージショーは午後7時頃から始まったが3曲歌ったのみでミニステージといった感じで、客と会話をしないように指導されているのか、話しかけても会話らしい会話にはならなかったという。

 北レス同様に個室での個別ショーが行われているようだ。
 
 「テキパキと配膳やサービスはしてましたが、笑顔もなくなんだか重苦しい空気でした。私の故郷の延吉や以前住んでいた上海の朝鮮レストランとはかなり違った印象です」(大連在住の朝鮮族・高さん)

 とは言え、鴻賓楼は現時点で確認されている(カラオケやバーを除き)北朝鮮人女性が働く大連唯一の北レス(なっちゃってではあるが)だったりする。関心がある人には貴重な店であろう。

 ある日本語サイトには、“大連の北朝鮮系レストラン”とのコメントが確認できるが、鴻賓楼を運営する大連鴻賓楼有限公司は2001年5月に設立。董事長(最高経営責任者)は名前から朝鮮族っぽい男性かと思われる。他の公開情報から中国資本の民間企業となっている。そのため、北朝鮮系というのは正しくないと言えそうだ。

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