日本政府の処理水海洋放出に1部海外から批判の声

日本政府の処理水海洋放出に1部海外から批判の声

鄭義溶外交部長官 出典 韓国外交部公式サイト

日本政府の処理水海洋放出に1部海外から批判の声

 日本政府は4月13日、東京電力の福島第1原子力発電所に貯蔵されている放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出することを決定した。

 菅義偉首相は「基準をはるかに上回る安全性を確保し、政府を挙げて風評対策を徹底することを前提に海洋放出が現実的と判断した」と理解を求めたが、この決定により波紋が広がっている。北朝鮮や中国などから非難が寄せられる中、韓国でも反発が出ている。

韓国政府が国際海洋法裁判所提訴へ

 日本政府が海洋放出を決定した13日、韓国与党議員71人はすぐさま記者会見を開催。韓国政府に対して、「国際海洋法裁判所への提訴を含めた外交措置」を求めた。翌14日には文在寅(ムン・ジェイン)大統領が青瓦台の会議で国際海洋法裁判所への提訴を検討するよう指示を出している。
 
 この他、与党議員がSNSを通じて海洋放出決定を非難する声明を出すなど、韓国与党で日本への反発の声が広がっている。

当初、韓国政府は条件付きで容認

 その一方で、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官(外務大臣相当)は19日の国会質問で、条件付きではあるが日本政府の方針に一定の理解を示した。

 鄭義溶長官は、1.日本政府に対して科学的根拠拠を共有すること、2.実施にあたり韓国政府との事前協議を行うこと、3.国際原子力機関(IAEA)が行う検証に韓国側の専門家も参加することという3条件を提示。

 この3条件を満たせば、日本政府の決定に「あえて反対する理由はない」と述べたのだ。

 実は昨年10月15日、韓国政府内の省庁合同タスクフォースが発表した「福島原発汚染水関連現状報告」では、日本が放出する処理水について「国民と環境への影響はない」と示している。つまり、IAEAや米国も日本の処理水海洋放出決定について、「世界的に受け入れられている原子力の安全基準に沿っている」と理解を示しているが、韓国政府もほぼ同様の認識であった。

批判を受け一転して反対姿勢に

 だが、鄭義溶長官の「海洋放出容認」発言は、与党議員から「国民の情緒や要求と異なり、誤解を招く恐れがある」「無気力な対応だ」などの非難を呼ぶこととなった。非難を受けた鄭義溶長官は20日、「政府が無条件的に反対するのではなく、根拠を持って反対するという意であった」と釈明している。

 その上で、日本が国際法上の義務を履行しない場合には、国際裁判所など紛争解決手続きに進む準備を行っていると伝えている。鄭義溶長官の当初の真意は不明だが、日本の処理水放出に対して反対姿勢を示している。そうなると、前述の3条件を満たした場合に韓国政府が容認するかどうかは不明となっている。

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