買い物を軍が代行するホーチミン

買い物を軍が代行するホーチミン

厳しいロックダウンが実施されている商都ホーチミン市

 「ベトナムの両親が僕が打ったモデルナのワクチンをうらやましいと言っています」と話すのは、都内のベトナム人留学生Cさん男性だ。

 Cさんはコンビニエンスストアで深夜シフトのバイトをしているので、7月中に区が設置している接種会場で新型コロナウイルスワクチンの接種を終えた。

 Cさんが外国人登録をする区は、ファイザーとモデルナのワクチンが選択できたが、すぐに打てたのがモデルナだったのでモデルナを選んだという。

 現在、Cさんの出身に近いハノイはロックダウン中で、外出許可証がないと外出ができないが、なんとか生活できているようだ。もっとも強烈なロックダウンを実施しているのが南部ホーチミン市で、感染拡大が深刻と判断された一部の地域では、一切の外出が禁止され、買い物は警察やベトナム人民軍がまとめて代行する状況となっている。

 Cさんはベトナムの家族とフェイスブックメッセンジャーやベトナムで広く使用されているチャットアプリZalo(ザロ)を使って連絡を取っているそうだが、Cさんのベトナムの両親からは、東京は多少の制限があってもほぼ正常に機能しているように見えるようだ。

中国人ではなく中国政府を嫌うベトナム人

 ベトナムのワクチン接種状況は、「Our World in Data」によると、2回接種を終えた人の割合は3.6%(9月7日時点)。ベトナムでは、スプートニクV(ロシア)、シノファーム(中国)、アストラゼネカ(英国)、ファイザー(米国)、モデルナ(米国)の5種類が使用承認されている。

 しかし、実際に接種機会がまわってくるのはシノファームが多いらしく、あるホーチミン市の集合住宅全体が接種となった時に、ワクチンがシノファーム製とわかると辞退者が続出して帰宅してしまったという話もある。

 「中国製のワクチンを嫌がるのは、ハノイもホーチミンも同じだと思います。ベトナム人は共通して中国政府を悪の組織と思っていますので」(Cさん)

 ベトナム人に話を聞くと、中国人を嫌っているのではなく、中国という国や中国政府を嫌っていると両者を分けて考えている人が多いことがわかる。

 「中国政府はシノファームのワクチンと一緒に接種証明書をスマホで表示させるシステムなどをゴリ押し提供しているという話を聞いています。もしベトナム政府がそれを採用してしまったらベトナム人の個人情報が中国政府に盗まれると警戒しています」(同)

ワクチンとセットで中国政府が売り込んでくるものに北朝鮮が?

 この話はまだ表面には出てきていないが、ワクチンを提供したら当然、シノファームの関係者の訪越や接種状況をモニタリングするシステムなども提案してくるであろうことは、ファーウェイのスマートフォンとWeChat(ウィーチャット・微信)、監視カメラ、ドローンを国民監視4点セットとして、中国政府が南米やアフリカの独裁色の強い国々へ売り込んでいたことが明らかになっているので十分に考えられる。

 北朝鮮が中国製のワクチンを拒否している理由はここにあるのかもしれない。

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