なぜか北朝鮮の電動自転車に興味を示す中国人

なぜか北朝鮮の電動自転車に興味を示す中国人

平壌での国際展示会で展示されていた電動自転車

 中国のSNSや動画共有サイトの北朝鮮関連の検索キーワードでよく見かけるのが、「電動自転車」。なぜか中国人は北朝鮮の電動自転車に関心が高いようだ。

 中国のSNSへ投稿されていた「金正恩時代の北朝鮮の人々が電動自転車を買うのは難しいのか?」を紹介したい。

 以下の記事では、電動自転車と訳したが、中国語では電気自転車という定義で、日本だと電動アシスト自転車よりも電動バイクをイメージしてもらったほうが近い。

 現代中国では、こがずに進む電動バイクが主流で、こぐ力をサポートする電動アシスト自転車は少ない。

ママチャリタイプの自転車が多い北朝鮮

 北朝鮮は中国にとって隣国であるにもかかわらず、多くの中国人は、北朝鮮の人たちの生活はよく知らない。

 北朝鮮を旅行などで訪れた人なら誰でも知っていることであるが、最近でも自家用車を持っている北朝鮮人はほとんどいない。

 北朝鮮の人々の移動手段は、1970年代や80年代の中国人と同じようなものである。主に自転車と徒歩、たまに路面電車となっている。

 70、80年代の中国は、非常に多くの自転車が走っていた。通勤ラッシュの時間帯には、自転車が道路を埋め尽くしている光景が中国全土の都市で見られた。

 今や中国では自家用車を持つ人が増え、もはや、自転車は主な交通手段ではなくなった。しかし、隣の北朝鮮では、自転車が交通手段の主役として利用されている。

 北朝鮮では、数年前まで自転車は贅沢品だったが、国産化が進んだこともあり、今では北朝鮮の多くの家庭に自転車があるほど普及した。

 北朝鮮へ行くと、いたるところで自転車に乗っている人を見かける。

 北朝鮮の自転車は、トップチューブがない女性用の自転車(日本で言ういわゆるママチャリ)で、前にかごを備え、前輪にはライトが付いている。

電動アシスト自転車が4万朝鮮ウォン

 さて、そんな北朝鮮でも時代の変遷とともに、自転車の形態も多様化を見せ始めている。特に北朝鮮の都市部では、電動自転車の人気が高まっているようだ。

 北朝鮮の人たちは、電気の力で駆動するこの種の自転車をとてもファッショナブルと感じて楽しんでいる。しかし、当然ながら誰がも買えるものではない。

 電動アシスト自転車や電動自転車は、私たちからすれば贅沢品ではないが、北朝鮮の人々にとっては目玉が飛び出るほどの贅沢品だ。

 北朝鮮を訪れた時に現地の自転車店へ立ち寄り、電動アシスト自転車がいくらで売られているか確認した。

 北朝鮮の平均的な電動アシスト自転車の販売価格は4万朝鮮ウォン。これがどのくらいの価値かと言えば、現在、平壌の平均的な労働者の月給は、5000から1万朝鮮ウォンとされる。

 つまり、平壌の平均的な労働者が電動アシスト自転車を買おうとすると、驚くべきことに月給の4か月から8か月分かかることになる。

 だから、北朝鮮の一般市民にとっては、電動アシスト自転車は非常に高価な高嶺の花なのだ。

 北朝鮮で電動アシスト自転車へ乗ることは、非常にうらやましがられることだ。

 北朝鮮では、電動アシスト自転車以外にもスマートフォンや冷蔵庫、エアコンなどの電化製品も非常に高価なものだ。

 北朝鮮で電動アシスト自転車やスマホ、家電製品を買えるのは、一部の富裕層に限られる。この北朝鮮の現実をどう思うか。

北朝鮮と比較して豊かになった中国を実感?

 北朝鮮訪問者、駐在経験がある中国朝鮮族になどに聞くと北朝鮮で売られている電動自転車は、日本の電動アシスト自転車に近いタイプが主流のようだ。

 中国で電動バイクが主流となっている背景は、都市化により主要道路でオートバイ(バイク・自動二輪車)走行が禁止されている都市が多いため、法律上は自転車扱いされてる電動バイクをバイク代わりにしているからと言われる。

 音なく小道を走り抜けるので、接触事故が多発し、中国では社会問題となって久しい。

 最後の一文を見てわかるように元の投稿は、中国の北朝鮮を語る記事に多い中朝を比較して「豊かになった中国人の生活」を伝えたいような論調になっている。

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