ただ、発給には条件が各種あり、もっとも重要な部分は、申請と延長の際、滞在期間中1か月につき50万バーツ分(約175万円)の預金証明を提出しなければならないことだ。つまり、比較的に経済的余裕がある人たちに向けたビザになる。

 観光収入を得るための露骨な手段と言えるが、これが不安要素もあって中国人にしか普及しないのではないかという声がある。たとえば日本人や韓国人の場合、270日も遊んで暮らせる余裕が一般的な会社勤めにはないという点は大きい。
 

韓国や日本人は特に増えない可能性が高い

韓国や日本人は特に増えない可能性が高い

日本人のSTV取得の見通しは立っていない

韓国や日本人は特に増えない可能性が高い

 さらに、発給はタイ保健省が定める低感染リスク国に限られることだ。10月20日に開始され、当初は日本も対象国に入っていたのだが、10日後の30日に保健省は日本の感染リスクを中クラスに引き上げてしまった。日本政府は同日にタイをランクダウンさせて入国手続きの簡素化を決めたのだが、タイ政府は逆の対応となった。そのため、少なくともリスク国のリストが更新される11月15日までは日本人はSTVの取得ができない。

 韓国に関してはSTV発表時には対象国に入っているものの、在韓タイ大使館のサイトを見るとSTVに関する記述が見当たらなかった(執筆時)。在日タイ大使館でもSTV申請をするなら普通の観光ビザ取得を勧めてくるという情報もあり、各国大使館で対応が違う。

 要するに、タイの外国人観光客受け入れの対策はまだ迷走しており、中国人以外の入国人数は今後もしばらく伸び悩むことになりそうである。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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