南北統一を目指すと表明した韓国文大統領

南北統一を目指すと表明した韓国文大統領

文在寅大統領による平壌訪問(2018年9月)。このころをピークに南北関係は急速に悪化する(提供「コリアメディア」)

 韓国の文在寅大統領は、2019年8月15日に行われた光復節の記念式典で、2045年までに南北統一を目指すことを表明した。

 南北統一のためには、韓国と北朝鮮の連携が必要不可欠であり、そのためには関係が良好であることが必要だ。しかし、2018年は南北関係が良好であったものの、現在の状況は、決して良好な関係とは言い難く、今後の関係改善ができなければ南北統一が実現する可能性は低いだろう。

 しかも、2020年は文政権の親北色が強い政策と反比例するように南北の関係性はさらに悪化の一途をたどっているのが現状だ。

北朝鮮の批判ビラ騒動で2020年さらに悪化する南北関係

北朝鮮の批判ビラ騒動で2020年さらに悪化する南北関係

6月20日付『労働新聞』よりたばこの吸殻まみれの文在寅大統領(提供「コリアメディア」)

北朝鮮の批判ビラ騒動で2020年さらに悪化する南北関係

 北朝鮮に対して、脱北者団体などは風船にビラやUSBメモリフラッシュなどをくくりつけて北朝鮮側へ飛ばす活動を行っている。こうした活動に対して、金与正氏は2020年6月4日の談話で韓国政府にビラ散布の停止を要求しており、聞き入れられない場合は対抗措置を取るとしていた。

 2020年6月9日に対抗措置は実施され、両国の首脳と軍との連絡手段として設けられていたホットラインを切断した。それに対して韓国は6月11日に北朝鮮に批判ビラを飛ばしていた脱北者団体を刑事告発するなど、北朝鮮の要求に応じた対応を行った。

 しかし、北朝鮮は南北軍事境界線近くの開城に設置された「南北共同連絡事務所」を16日に爆破している。同連絡事務所は2018年に行われた首脳会談後に南北間の定期的な対話を確保するために設置されていた。

 こうした北朝鮮の行動には、無検閲の情報が流入するのを警戒しているだけではなく、韓国政府への圧力を強める狙いがあると考えられる。

 過去1年ほどの間に、北朝鮮は韓国への敵意を募らせており、短距離ミサイル発射実験の再開、韓国が金剛山観光地区に建設したホテル(元は1988年にオーストラリアで建設された海上ホテルを移動させたもの)などの撤去を求めるなどしていた。

 こうした理由で韓国を批判していた北朝鮮にとって、ビラ散布をめぐる対立は南北関係を悪化させる原因となっている。

韓国人公務員殺害・焼却事件

 2020年9月22日、韓国海洋水産部に所属している40代の漁業指導公務員が射殺された後に遺体が焼却される事件が発生した。

 この事件は9月21日に、南北軍事境界から約10キロメートルほどにある延坪島近くで、巡視で違法漁業を取り締まっていた男性公務員が行方不明になったことから始まる。男性は韓国軍などの捜査でも発見されず、北朝鮮海域で発見されたものの、22日に北朝鮮軍の銃撃で死亡し、遺体は焼却処分された。

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