男性の職場があるビルに事務所を構える日本人は、「ビルごと封鎖になったら仕事に支障が出る。直接面識はないが、同じビルなのでF2、F3になっているかもしれない。その場合は強制隔離だったか、検査結果を待つのか。どうなのだろう」と話す。

 ベトナムでは、感染者と直接接触した人をF1、F1と接触した人をF2、F2と接触した人をF3として状況把握に努めている。これによって、国民側もコロナを身近に感じたり、危機管理ができることから、この手法もまたベトナム政府が押さえ込みに成功している理由の1つとも言われる。
 

海外駐在員なので韓国企業などとの繋がりの可能性も

海外駐在員なので韓国企業などとの繋がりの可能性も

2020年3月の時点で外国人への差別などがあったので、これによって現地の日本人の立場が脅かされないといいのだが

 しかし、問題は簡単ではない。と言うのは、ベトナムは今、ベトナム人が最も大切にする連休である、テト(旧正月)休暇に入っている。2021年は2月12日が元旦だったが、帰省ラッシュの密を避けるためか、政府は10日から休みとし、16日までがテト休暇になる。

 つまり、濃厚接触者であるF1の人も含めて、たくさんのベトナム人が地方へと散ったために、場合によっては広範囲に新規感染者が出る可能性も指摘されている

 男性は商社に勤めていたと言われ、また企業が入居するビルも日系企業が複数入居する。日本人会社員の中で接触者は多数いるとみられるし、海外進出企業なので、日系だけでなく、ベトナムに多い韓国企業とも接触している可能性もある。ベトナム人だけでなく、グローバルな企業ゆえに、韓国をはじめ、多国籍のグループに感染拡大の可能性も考えられる。

 韓国・聯合ニュース韓国語版は、15日午前10時にこの件を報じ、ベトナムでは先月27日以降、ベトナムでは第3波と呼べるような感染拡大が発生しており、13の地域で638人の陽性者を確認している。亡くなった日本人男性と同じホテルに複数の韓国人が住んでいると伝えている。

 現状は発覚したばかりのため、情報が少ない。遺体発見時は、感染確認もされていなかったので、現場検証に来た警察官なども隔離対象になり、隔離済みだとCDCは発表している。

 この事件に関しては続報を待つ必要がありそうだ。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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