文大統領は、18年10月の徴用工訴訟判決以降、一貫して「司法判断を尊重する」と司法への不干渉を主張してきたことから、一歩踏み込んだ発言と言える。

 この外交的解決策について、「(元徴用公訴訟の)原告が同意できるものにならなければならない」という条件を付けたものの、「韓国政府は原告を最大限説得する」とまで言及している。
 

時間をかけて対話と交渉を進めるしかない

時間をかけて対話と交渉を進めるしかない

2017年5月17日、大統領就任宣誓する文在寅氏 出典 밥풀떼기 [Public domain], via Wikimedia Commons

時間をかけて対話と交渉を進めるしかない

 上記のように文大統領の記者会見での発言は、今までになく日本に譲歩したものとなっている。

 韓国内での反発も予想できた中で、このような見解を表明したのは、文大統領が日韓関係の改善を企図していることにほかならないだろう。とは言え、日本政府は「日韓合意の遵守を求める」と述べ、一歩も譲らない姿勢である。

 日韓問題に詳しい韓国の専門家は、「韓国政府としては、悪化する日韓関係に歯止めをかけたいと考えつつも、三権分立の観点から司法に介入できないという難しい状況に置かれている。文大統領の記者会見での発言は、そのような制約の中で精一杯のリップサービスと言える。日本が歴史認識問題に誠実に向き合うようになれば、文政権としても思い切った対日政策を打ち出すことができるだろう」と説明する。

 このような変化は、米国でバイデン政権が誕生し、日米韓の連携が求められていることも要因となっている。

 ただ、日韓合意の件で明らかなように、歴史認識問題を解決せずに妥結案を講じても、再び日韓関係が破綻するのは明白である

 その場しのぎの関係改善ではなく、時間をかけて対話と交渉を進めていくほかないだろう。

八島 有佑

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One Comment

  1. 仰る通りです。
    加えて、戦後からの誠意が伝えられず&伝わらず、約束したことを平気で覆すこと、相手の立場に立てと注文するが自らはそうしない、ということがありますよね。現状を一言で言えば、半島には「疲れる、勝手にしろ」でしょう。

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