握手もなく20分で終わった外相会談

握手もなく20分で終わった外相会談

茂木敏充外相(右)と鄭義溶外交部長官(左)がロンドンで会談 出典 外務省フェイスブック公式ページ

握手もなく20分で終わった外相会談

 G7外務・開発大臣会合出席のためイギリスに滞在していた茂木敏充外務大臣は5月5日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)韓国外交部長官(外務大臣相当)と日韓外相会談を実施した。

 1年3カ月ぶりの日韓外相会談となり、今年2月に前任の康京和(カン・ギョンファ)氏から鄭氏に代わって初の会談であったが、会談はわずか20分で終了。外相として初会談にもかかわらず握手もなく、冷え込む日韓関係を感じさせる会談となった。

日本は「意見交換」とするも韓国は「合意」と発表

 悪化の一途をたどる日韓関係が約20分で議論できるはずもない。

 日韓間の懸案事項について話し合われたとあるが、日本の外務省と韓国の外交部で会談後の発表内容に差があった。

 日本の外務省の発表では、北朝鮮問題を含め地域安定のために日韓・日米韓協力の重要性を再確認し、「両国間の懸案を含む2国間関係について意見交換」を行ったとしている。

 一方、韓国側は同じく日韓協力の必要性に言及しつつ、「韓日関係を未来志向的に発展させていくことを合意」したと発表した。

 日本側の発表では「意見交換」したという言及にとどまったが、韓国側は日本との間で「同意」を得たと踏み込んだ表現を使ったのである。この時点で両国で認識の差が生じている。

日韓ともに自国の主張だけを発表

 両国の懸案事項である慰安婦問題と旧朝鮮半島出身労働者問題(いわゆる元徴用公問題)でも認識に差があった。

 日本側は、茂木外相が慰安婦訴訟については「日本の一貫した立場に基づき、改めて韓国側に適切な措置を講ずることを強く要求」し、元徴用公問題についても「韓国側が日本側にとって受け入れ可能な解決策を早期に示すことを強く要求」したと発表した。

 だが、韓国側は茂木外相から「日本軍慰安婦被害者提起の損害賠償訴訟判決および強制動員被害者関連大法院(最高裁に相当)判決問題についての日本側の立場の説明があった」とだけ伝えている。茂木外相が適切な措置を講じることを「強く要求」したことについてはまったく触れていないのだ。

 その一方で韓国側は、鄭長官が「日本側の正しい歴史認識なしに過去史問題が解決できないことを強調した」と伝えているが、日本側はこれを「鄭長官は、韓国側の立場を説明」とだけ発表している。

 このように両国ともに自らの主張だけを発表し、相手外相の主張は詳細を省いている。

韓国が処理水海洋放出を改めて反対

 会談では日本政府が4月に決定した福島第1原発の処理水海洋放出についても触れたようだが、これも互いに自国の主張だけ発表した。

 日本側の発表では、「今度とも必要な情報提供等を継続していく」と伝え、韓国政府が日本政府の決定に対し批判的な見解を表明していることについては「懸念を表明した」とある。

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