いずれも地裁判決ではあるが、元徴用公訴訟でも元慰安婦訴訟でも立て続けに日本側の主張を認める真逆の判決が出たことになる。同種訴訟で判断が分かれることは、司法への信頼性にもかかわる問題ではあるものの、悪化する日韓関係の契機になる可能性もある。
 

韓国側は外交手段で懸案事項解決を目指す方針

 今年1月18日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は記者会見で、すでに確定した元徴用工訴訟について、「日本企業への強制執行で資産が現金化される方法は韓日関係に望ましくない」として原告が同意できる解決策を日韓で協議したいとの意向を示していた。

 また、慰安婦問題についても2015年の「日韓合意」の有効性を認めつつ「慰安婦問題解決のためには、さらなる外交努力が必要」としていた。

 韓国政府としては外交手段で日韓間の懸案事項を解決したい考えで、これ以降、司法の流れが変わったとも言える。

 一方、加藤勝信官房長官は7日の記者会見で今回の判決に関し、「日韓関係は旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などの懸案を解決するために韓国が責任を持って対応することが重要」としつつ、「韓国からの具体的な提案も注視する」との考えを示している。

 6月7日現在、11日からイギリスで開催されるG7サミットにおいて日韓首脳会談は設定されていないが、今後、日韓関係に何らかの動きがあるかもしれない。

八島 有佑

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