動きを見せる南北対話

動きを見せる南北対話

2018年9月18日に平壌で開催された南北首脳会談(提供 コリアメディア)

 南北間では7月末に南北通信連絡線が一時復旧した一方で、米韓合同軍事演習で北朝鮮側が反発姿勢を示すなど北朝鮮情勢は一進一退の状況にある。

 朝鮮半島の分岐点と言っても過言ではない重要な局面である今、南北対話および米朝交渉の現状と展望について、朝鮮近現代史を研究している康成銀氏(朝鮮大学校朝鮮問題研究センター研究顧問)に見解を伺った(以下、インタビュー内容)。

今年4月にバイデン米政権が新しい対北方針発表

 バイデン政権は4月30日、対朝鮮政策の見直し作業が完了したことを明らかにし、「現実的なアプローチ」を取ると表明しました。ジェン・サキ米大統領報道官は同日、記者団に「我々の目標は朝鮮半島の完全な非核化であることに変わりはない」が、トランプ政権の「一括取引」やオバマ政権の「戦略的忍耐」とは異なる「調整された現実的アプローチ」と呼びましたが、具体的な中身の説明を避けました。

 複数の米政府関係者によれば、新たな政策はオバマ、トランプ両政権の「中間」、つまり、制裁緩和など北朝鮮に対価を与えながら非核化の実現を目指す「段階的アプローチ」に転換する公算が極めて大きいとの見方を示しています。

対話の糸口を探す米国

 バイデン政権の対朝鮮政策は朝鮮側に伝えられ、対話を求めましたが、同年6月15日~18日の党中央委員会第8期第3回総会で対米関係について、「対話にも対決にもすべて準備ができていなければならず、特に対決にはより手落ちなく準備ができていなければならない」としました。

 これに対しジェイク・サリバン米大統領国家安保補佐官は6月20日、「興味ある信号」とし、「朝鮮の明確な信号を待っている」と述べました。しかし、朝鮮労働党中央委員会の金与正(キム・ヨジョン)副部長は22日、「自ら誤って持つ期待は、自身をさらなる失望に陥れるであろう」とする談話を発表し、翌23日には、朝鮮外相も談話で、「我々は、惜しい時間を失う無意味な米国とのいかなる接触と可能性についても考えていない」と述べました。

 その後、8月10日から始まった韓米軍事合同演習のさなかに訪韓したソン・キム米国朝鮮政策特別代表は、8月25日の寄稿文の中で、「米国には、北朝鮮に対する敵対の意図はない。我々はゼロからスタートしているわけではない。2018年のシンガポール共同宣言、2018年の板門店宣言、2005年の6者協議共同声明を含む、過去に北朝鮮と合意した事項が今後の米朝外交の基盤となるだろう」としました。その上で、「ただし米国には、議論に進展があるまでは、北朝鮮関連の国連安全保障理事会決議を履行し続ける責任があることを明らかにしておく」と述べ、人道支援活動(保健及びコロナ防疫、植樹および衛生分野)、朝鮮戦争中に行方不明になった米兵の遺体発掘のための協力の再開を呼びかけました。当面は、人道的分野から協力しようとするものです。

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