プロに襲われた北朝鮮大使館

プロに襲われた北朝鮮大使館

襲撃されたスペインのマドリッド北朝鮮大使館 出典 『EL PAÍS

プロに襲われた北朝鮮大使館

 北朝鮮を、ある事件が揺るがせている。スペインの首都、マドリッドで起きた北朝鮮大使館襲撃事件だ。

 北朝鮮は、163か国と国交があり、47か国に大使館を置いている。日本やアメリカ、韓国にはないものの、自国の存在をアピールするためヨーロッパには、意外にも広く大使館を置いている。ただし、維持費が出せないため、たいてい、首都郊外の住宅地に大使館員の住居を兼ねて設置している。

参考サイト 「北朝鮮、163カ国と国交 47カ国に大使館」『日本経済新聞

 スペインでも同じだ。市中心から外れた場所にある。2017年9月に、当時の北朝鮮大使が、スペイン当局から「外交官としてふさわしくない人物」として認定され、駐在する外交官地位を奪われたため帰国。現在、大使は空席となっている。

 事件が発覚したのは今年2月22日の午後5時ごろのことだ。

 大使館の窓から館員である1人の女性が助けを求めて、大使館の外に飛び出してきたことからだった。スペイン語が話せないため、何を訴えているか分からず、聴取に時間がかかった。

軍事訓練を受けた10人の男たち

 警察が通訳を通じて事情を聞いたところ、拳銃を持った10人のグループが館内に侵入して、中にいた職員らを縛り、パソコンやUSBメモリー、携帯電話などを奪ったことが判明した。

 「北朝鮮の核と武器計画に関する機微な情報」を探し、館内では金正日総書記の肖像画を床に叩きつけた。その手際のよさは、軍事訓練を受けているように見えたという。男たちは夜の9時まで館内を物色していた。

 女性が外に逃げたことを知ると男たちは、大使館の車を使って逃走。主犯格の男は、偽名で借りていたレンタカーで呼び逃げた。逃走するさい、大使館内の防犯カメラから、記録用のハードディスクを抜いていく周到さだった。

 大使館を舞台にした犯罪を重視した捜査当局は、関係する場所の防犯カメラの映像を分析した。その結果、男たちが犯行後に4グループに分かれ、アメリカ行きの飛行機に乗ったことが確認された。

 主犯格の男は、ニュージャージー州ニューアーク行きの便に乗った。この空港はニューヨークに隣接している。

参考サイト 「North Korean embassy assailants filmed the attack to prove their actions, say Spanish police」「EL PAÍS

完璧なスペイン語を話す「髪の長い男」

 現地の新聞『エル・ムンド』によれば、犯人グループは、犯行直前、マドリッドで有名な警察グッズ販売店「Shoke」を訪れ、26ユーロでおもちゃの拳銃を買っていた。

 購入した男性は「ほぼ完璧なスペイン語を話していた」(店員)。さらに「細くてて、髪はとても長く、後ろで束ねていた」とも話している。4丁の模造ガンと4本のナイフも購入した。

 男性は、2つの大きな袋に買ったものを入れて、店を後にしたという。

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