謎4 なぜ隣にもう一脚の椅子があるのか

謎4 なぜ隣にもう一脚の椅子があるのか

ソウル市内に設置されている少女像

謎4 なぜ隣にもう一脚の椅子があるのか

韓国人も知らない「少女像」7つの謎 表現の不自由展・その後の再開前に考える(1/2)の続き。

 先に亡くなった女性たちが座る席だ。

 3つの意味があると作家は語っている。まずは問題が解決しないまま亡くなった「寂しさ」。隣に座って、当時の少女の心情を推し量ってほしいという「追体験」。さらに未来の世代が最後まで一緒にいるという「約束」の意だそうだ。

謎5 現在、どこに何か所設置されているのか

謎5 現在、どこに何か所設置されているのか

ソウル市内を走るバスへ一時設置された少女像

謎5 現在、どこに何か所設置されているのか

 今年8月13日の韓国「KBS」の報道によれば韓国全土124か所に広がっている。慰安婦問題をアピールするだけではなく、一種の愛国運動となっている。外国への設置については日本政府や日本の団体が批判し、反対運動をしているが、こういう運動があるほど、カウンターとして像が増えるという皮肉な現象が起きている。

 以下のサイトで、韓国内の設置場所が分かる。ソウル周辺が多いものの、済州島など南部にも設置されている。

 世界では以下のページで設置場所が分かる。中国、米国、豪州、ドイツなどに広がっている。日本でも大阪や沖縄にあるとされている。ソウル市内を走るバスにも一時設置されたが、「やりすぎ」との批判を受けて、今は撤去されている。

 いずれの地図も作成はKBSデータジャーナリズムチーム。

謎6 少女像はどこかで販売されているのか

謎6 少女像はどこかで販売されているのか

正義記憶連帯のミニチュア少女像販売サイト

謎6 少女像はどこかで販売されているのか

 公式に販売されてはいないが、個別に作家夫婦に注文して製作しているようだ。

 2015年に韓国紙『中央日報』が報じた記事によれば、1体につき3300万ウオン(日本円約330万円)かかるという。高価なため、制作費がなかなか集まらないのが実体のようだ。

 『中央日報』記事リンク https://news.joins.com/article/19148501

 その代わりミニチュアの少女像が販売されている。慰安婦問題を扱っている正義記憶連帯はホームページを通じ、約3000円(2万5000ウォン+郵送料2500ウォン)で、通信販売しており、個人的に購入する人がいるようだ。

 販売ページへのリンク http://womenandwar.net/kr/notice/?uid=410&mod=document&pageid=1

謎7 そもそも慰安婦問題は未解決なのか

 いったん解決したと思われたが、再び日韓で対立している。

 安倍政権と韓国の朴槿恵政権は米国の仲介を受け、2015年12月に合意を交わした。

 日本政府が10億円を拠出して財団が設立。元慰安婦や遺族らへの補償金に支給し、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的な解決」とするものだった。

 これに対して、文在寅政権は、専門家らによる「韓日日本軍慰安婦被害者問題合意検討タスクフォース」を発足させ、合意の検証を行い、17年12月に報告書を発表した。

 合意には未発表部分があると指摘した。ポイントは、(1)韓国政府が挺対協(挺身隊問題対策協議会)などの合意に反対する支援団体を説得する努力をする(2)日韓以外の第三国に慰安婦の追悼碑を設置する動きがあっても韓国政府は支援しない(3)「性奴隷」の用語を使わないの3点。

 日本大使館前の少女像については、日本側が移転を求めたものの、韓国側は「関連団体との協議等を通して適切に解決されるように努力する」と答え、非公開合意に含めていた。この報告書の日本語版は、韓国外務省のホームページからダウンロードできる。 http://www.mofa.go.kr/upload/cntnts/www/result_report_jpn.pdf

 文大統領は被害者の意見を十分聞かずに合意がなされたとして、財団を解散。日本側は反発している。日韓の専門家の中では、文大統領が日韓関係で積み上げてきた慰安婦をめぐる合意を、一方的に反故にしたと批判する意見が多い。
 

五味 洋治(ごみ ようじ)
1958年長野県生まれ。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年、韓国延世大学語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在、論説委員。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないか』(創元社、2017年)『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋、2018年)など。

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