批判の的となったのは、宋永吉氏が同1日に口にした「在韓米軍は韓米同盟における軍事力の過剰(over capacity)ではないか」という発言。社説ではこの発言を「在韓米軍は必要以上に多いため削減すべき」と解釈し、むしろ「今は在韓米軍の過剰ではなく不足を心配すべき状況である」と指摘した。

 社説では、これ以外にも、宋永吉氏が2016年に北朝鮮による高角ミサイル攻撃を防ぐ在韓米軍の「THAAD(終末高高度防衛)ミサイル」配備に反対したことや、今年6月に北朝鮮が「南北共同連絡事務所」を爆薬で爆破した際、「大砲で爆破しなかっただけよかった」と発言したことも問題点としてあげ、非難を加えている。

 このように宋永吉氏の北朝鮮関連の発言は物議を醸すことがあり、これ以外でも韓国内からは「どこの国のスポークスマンなのか」という声がたびたび寄せられている。

 2010年の延坪島砲撃事件の際も、宋永吉氏がツイッターで「最初の北朝鮮の砲撃を受け、韓国側が強く対応したため北朝鮮による集中攻撃を招いた」という趣旨の文章を掲載したことで、国内から強い反発を受けたことがある。
 

北朝鮮の真意を深く理解している

 ただ、宋永吉氏の発言は韓国国民を刺激しがちではあるかもしれないが、北朝鮮の真意を正確に読み取っている

 前述の非核化や在韓米軍などの諸事項は北朝鮮が重視している分野であり、北朝鮮側も同趣旨のメッセージを出している。

 宋永吉氏は南北交流を推進するため、「何をすれば北朝鮮指導部が嫌がるか。北朝鮮の真意はどこにあるか」を熟知しており、南北対話に必要な環境整備に力を注いでいると言える。

 もちろん南北対話のためには停滞する米朝交渉を進める必要があり、冒頭の発言も米国に譲歩を求めたものだと解釈できる。

 今年11月には、宋永吉氏は「共に民主党」内の韓半島タスクフォースメンバーとして訪米して、ビーガン国務省副長官と面会。米朝対話を進展させるため、「次期バイデン政権もドナルド・トランプ政権の対北朝鮮政策を継承しなければならない」と訴えている。

 文在寅政権が米朝と南北対話促進を目指す中において、今後も宋永吉氏の役割は大きくなっていくとみられる。

八島 有佑

記事に関連のあるキーワード

おすすめの記事

こんな記事も読まれています

コメント・感想

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA