日本製鉄に対しては「賃金未払、強制労働、それぞれに関して債務不履行および不法行為に基づく損害賠償責任が認められる」と認定した。(http://justice.skr.jp/souran/souran-jp-web.htm 訴訟番号53)

 なんと日本の裁判所が、日本企業に責任が残っていることを認めてしまった。ただし、このときは、日本製鉄が新会社に移行していることなどから、賠償自体は認めなかった。
 

和解に応じた日本企業も。国際法違反は日本政府と裁判所?

 さらに2000年7月には、富山市の工作機械メーカー「不二越」が軍需工場に徴用されたとする女子勤労挺身隊員など韓国人男女3人と和解に応じている。

 3人は戦時中の未払い賃金と計2000万円の損害賠償を求めていた。和解は最高裁が仲介したものだった。不二越側からの申し出で実現し、解決金は計3500万円だった。訴訟が続くより、企業イメージを優先し、和解を選んだのだ。 https://mindan.org/old/shinbun/000719/topic/topic_c.html

 阿部教授は、「日本政府は、解決済みとしてきたのに、裁判所で(元徴用工問題などを)扱わせた。裁判途中で和解した例もある。国際法に違反していたのは日本の裁判所と日本の政府ではないかと思えてしまう」(冒頭から52分あたりの発言)と問題提起している。

 さてあなたはどう考えるだろうか。


「朝鮮半島の今を知る」(32) 徴用工問題と国際法 阿部浩己・明治学院大学教授 2019.9.5

五味 洋治(ごみ ようじ)
1958年長野県生まれ。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年、韓国延世大学語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在、論説委員。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないか』(創元社、2017年)『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋、2018年)など。

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